秒速でスリムになれる?空腹知らずの”ケトン体”ダイエットで魅力的なボディは作れるのか

コラム

唐辛子、寒天、りんご、黒酢に納豆・・・ひと昔前は、特定の食べ物に頼るダイエットが流行していましたね。ご年齢が30歳以上の方なら、「入隊おめでとう!」から始まる、あのエクササイズDVDで汗を流した人も多いはず。そういえば、お腹の中で寄生虫を飼う、都市伝説のようなダイエットもあったとかなかったとか。

移り変わるダイエットの流行の中で、最近は「きちんと食べて痩せる」ダイエットが主流。ご存知の通り、「糖質制限ダイエット」は、一大ブームを築きました。

糖質制限ダイエットの中でも、最もトラディショナルとも言えるのが”ケトン体ダイエット”。さかのぼること約50年、1970年代には既に提唱されていたこの方法が、「みるみるうちに痩せる!」「2週間で確実な効果!」と、ふたたび話題になっているのをご存知でしょうか。

再ブレイクを果たしたケトン式ダイエット。その、めざましい効果の秘訣

“ケトン体ダイエット”とは、ふだん「糖」をエネルギーにしているわたしたちの身体を、「脂肪」が燃焼してエネルギーに変わる状態に切り替える、というダイエット方法です。実践するためには、炭水化物などの糖質を厳格に制限する必要があります。

糖質をほとんど摂取しないと、「糖」の代わりに体内にある「脂肪」が分解され、エネルギーに代わることがわかっています。この、分解された脂肪のことを”ケトン体”といい、ケトン体をエネルギーに活動する状態は”ケトーシス”と呼ばれています。

また、糖質を摂取しすぎると、ある程度までは「グリコーゲン」として筋肉に蓄えられるものの、筋肉に蓄える量がいっぱいになると、「中性脂肪」として脂肪細胞に蓄えられることもわかっています。油ものを食べていなくても太ってしまうのは、糖質のこのようなはたらきが原因だったのですね。

すなわち、糖質を一定量まで制限すると、脂肪をエネルギーとして利用できるようになるために痩せ、脂肪細胞が大きくならないために太ることもない。これが”ケトン体ダイエット”の秘訣です。

糖質20g以下の大きな壁。正しい実践方法を知ろう

では、”ケトン体ダイエット”の実践に適切な糖質の摂取量はというと、最初の2週間はなんと「1日20g以下」。バナナたった1本でアウトになってしまいます。健康な成人の炭水化物の摂取の目安は通常60g前後と言われているので、なかなかにストイックですね。重要なのは、代謝が落ちてしまわないように、カロリーは適量をきちんと摂取すること。空腹を我慢しなくてもいいのは”ケトン式ダイエット”の利点ではないでしょうか。

甘いものや穀物だけでなく、ケチャップや豆などにも糖質は含まれているので、自炊の場合は糖質量の管理が面倒。ひたすらにサラダチキンを貪るような生活が目に浮かんでしまいます・・・。noshのお弁当であれば、たとえば鮭ごまの風味焼き焼き鳥の柚子胡椒牛肉のデミグラスソース煮のすべてを1日で食べてもセーフです。

2週間の「修行」を終えたら、5g程度ずつ徐々に摂取する糖質の量を上げていきます。実は重要なのは最初の2週間でなく、ケトーシスの状態に身体が慣れたこの時期だそう。ここで気を緩めて自分へのご褒美を楽しんでしまうと、全てが水の泡です。少しずつ糖質を増やしても、一定の糖質量に至るまではまだケトーシスの状態が維持されるため、体重は減り続けます。

この手順で糖質量を増やしていくと、ある時点で体重が増加に転じるタイミングを見つけることができます。ここが「これ以上糖質を摂取すると太る」という糖質の量になります。”ケトン式ダイエット”実践後もこの糖質量までに制限しておけば、理論上はリバウンドもなし。成人だと50g前後のことが多いそうですが、せっかくチャレンジするからには適切な糖質量を見つけるところまで頑張ってみてはいかがでしょうか。

本当は怖い?ケトン式ダイエットの落とし穴

ここまで読むと、さぞかし効果のあるダイエット方法なのではないか、と思えてきますよね。でも、どんなダイエットにも言えるように、”ケトン式ダイエット”にもある程度のリスクがあります。

糖質を制限する食事をするということは、摂取するカロリーをタンパク質や脂質に依存する、ということ。特にタンパク質の摂取量はかなり増えるはずです。腎臓に疾患がある方はタンパク質を制限する必要がある他、食生活の大きな変化は予期せぬ影響を身体にもたらすことがあるため、なにかしら疾患のある方は必ず医師の指導のもとで実践しましょう。

また、ケトン体ダイエットで起こりやすいリスクとして、”ケトアシドーシス”と呼ばれる状態を引き起こすことが言われています。ケトアシドーシスとは、体内のケトン体の濃度が異常に高まることで、腹痛・嘔吐・脱水・喉のかわき・息があがる等、さまざまな症状が発生することを指します。通常、糖尿病の患者に起こりやすい急性代謝失調と言われていますが、健康な方でも”ケトン体ダイエット”実践中には発生することがありますので、少しでも異常を感じたらすぐに医療機関を受診してください。

また、”ケトン式ダイエット”実践者からよく聞く難点として、「体臭・口臭が強くなる」というものがあります。実は、この臭いの原因もケトン体。ケトン体のひとつである「アセトン」が体外に出て揮発することで、独特の臭いを放つのです。これは決して異常なのではなく、むしろ脂肪が分解されている印でもあるのですが、ちょっと気になりますよね。

安全に美しい身体を手に入れるために

注意事項を守りながら実践すれば、かなりの効果が期待できる”ケトン式ダイエット”。ただし、糖質20g以下の食生活を継続するには、ストレスがつきものです。

極端な糖質制限は、あくまで一時的なダイエットとして実践すること。栄養が偏らないように、いろんな食品を口にすること。リバウンドしないように、体重が減少した後も暴飲暴食を防ぐこと。当たり前のようですが、せっかくの努力を一時的なものに終わらせないために、日頃の健康意識と美意識がもっとも重要かもしれません。

夏まであと半年もありません。効果的なダイエット方法のひとつとして、”ケトン式ダイエット”にチャレンジしてみませんか?