睡眠の質を上げる食べ物と栄養素|快眠に役立つトリプトファンとは

HEALTH

 

質の良い睡眠は、心と体の健康に欠かせません。

 

しかし、「寝つきが悪い」「夜中に目が覚める」といった睡眠の悩みを抱え、食事で何か対策ができないかと考える方は少なくないでしょう。

 

日々の食事を工夫することで睡眠の質を高めることは可能です。

 

鍵となるのは、トリプトファンをはじめとする、眠りをサポートする栄養素を効果的に摂ることにあります。

 

本記事では、睡眠と栄養の基本的な関係から、コンビニでも手軽に買えるおすすめの食べ物・飲み物、そして効果的な食事のタイミングまでを分かりやすく解説します。

 

薬や特別なサプリに頼らず、身近な食材でできる改善策を参考に、毎日の食生活を見直すきっかけとして、ぜひ最後まで読んでみてください。

 

睡眠の質を上げるために食事が大切な理由

 

 

ぐっすり眠るためには、毎日の食事がとても重要です。

 

特定の栄養素を意識して摂ることで、心と体をリラックスさせ、自然な眠りをサポートすることが期待できます。

 

ここでは、睡眠に関わる栄養素の働きと、栄養素を効率よく摂るためのポイントを解説します。

 

睡眠に関わる代表的な栄養素とその働き

 

睡眠の質は、食事から摂る栄養素と深い関係があります。

 

睡眠をサポートする主な栄養素は、次のとおりです。

 

  • トリプトファン
  • GABA
  • グリシン

 

トリプトファンは、眠りを促すホルモン「メラトニン」の材料になる必須アミノ酸の一種です。

 

GABAは、脳の興奮を鎮め、リラックス効果をもたらす働きがあるといわれています。

 

さらに、グリシンは、体の中心部の体温を下げ、スムーズな入眠を助けるアミノ酸です。

 

これらの栄養素を日々の食事からバランスよく摂ることが、穏やかな眠りへの第一歩になります。

参考文献:

福田 裕美「概日リズム調節における光と食事の影響に関する研究動向」『日本生理人類学会誌』片山 直美「ギャバ米の有効利用に関する研究」『美味技術研究会誌』アミノ酸グリシンによる睡眠改善効果の作用機序解明

 

栄養素を効率よく摂るためのポイント

 

睡眠をサポートする栄養素は、組み合わせることでより効果的に働きます。

 

なおトリプトファンは、ときにトリプトファンは、ビタミンB6や炭水化物と一緒に摂ることで、脳内に運ばれやすくなるのが特徴です。

 

たとえば、トリプトファンとビタミンB6を両方含むバナナと、トリプトファンが豊富な牛乳を一緒に摂るスムージーなどは、理にかなった組み合わせといえるでしょう。

 

特定の食品に偏らず、栄養バランスの取れた食事を心がけることが、睡眠の質を上げるための成功の秘訣になります。

 

睡眠の質を下げる「隠れた食習慣」

 

睡眠に良い栄養素を意識することと同じくらい、避けたい食習慣に気づくことも大切です。

 

たとえば夜食で甘いお菓子やパンを多く食べると、血糖値の急上昇と下降により眠りが浅くなることがあります。

 

また、食事時間が毎日バラバラだと体内時計が乱れ、寝つきに影響します。

 

さらに水分不足も、夜中のこむら返りや中途覚醒の原因になりかねません。

 

何を食べるかだけでなく、「食べ方や時間」を整えることが、質の良い睡眠への近道です。

 

睡眠の質向上におすすめの食べ物と飲み物

 

 

睡眠の質を上げるためには、具体的にどのような食べ物や飲み物を選べばよいのでしょうか。

 

ここでは、睡眠をサポートする栄養素が豊富な食品と、寝る前におすすめの飲み物を紹介します。

 

  • トリプトファンが豊富な食べ物
  • GABAやグリシンが豊富な食べ物
  • 寝る前におすすめの飲み物

 

コンビニやスーパーで手軽に手に入るものばかりなため、ぜひ今日から取り入れてみてください。

 

トリプトファンが豊富な食べ物

 

眠りを促すホルモン「メラトニン」の材料となるトリプトファンは、質のよい睡眠に欠かせない栄養素です。

 

トリプトファンは、牛乳やヨーグルト、チーズなどの乳製品、豆腐や納豆、味噌などの大豆製品に多く含まれています。

 

そのほか、バナナやナッツ類も手軽に摂れるおすすめの食材です。

 

これらの食品は、コンビニやスーパーで簡単に手に入ります。

 

とくに、朝食に摂ることで夜の自然な眠りにつながりやすくなるといわれているため、毎日の食事に少しずつ取り入れてみましょう。

 

GABAやグリシンが豊富な食べ物

 

心と体をリラックスさせる働きのあるGABAやグリシンも、睡眠の質を高める上で大切な栄養素です。

 

GABAは、発芽玄米やトマト、きのこ類などに多く含まれています。

 

一方、グリシンは、エビやホタテといった魚介類や、鶏肉などに豊富なことが特徴です。

 

夕食のメニューにこれらの食材をプラスすることで、穏やかな眠りをサポートするでしょう。

 

ストレスを感じやすい方は、意識して食事に取り入れてみることがおすすめです。

 

参考文献:

佐々木 泰弘・河野 元信
「ギャバ (GABA) の効能と有効摂取量に関する文献的考察」『美味技術研究会誌』
安居 昌子・坂内 慎「睡眠改善食品 — 機能性表示食品成分グリシンを中心として」『ファルマシア』

 

寝る前におすすめの飲み物

 

就寝前にリラックスできる飲み物を飲む習慣は、スムーズな入眠を助けてくれます。

 

定番のホットミルクは、トリプトファンを含み、体を温める効果も期待できます。

 

また、カモミールティーなどのカフェインを含まないハーブティーも、心を落ち着かせるのにおすすめです。

 

さらに、日本の食卓に馴染み深い味噌汁も、大豆由来のトリプトファンを手軽に摂れる優れものです。

 

お気に入りの一杯で、就寝前の習慣を作ってみましょう。

 

 睡眠の質を上げる食事のタイミングと注意点

 

 

何を食べるかだけでなく、「いつ」「どのように」食べるかも睡眠の質に大きく影響します。

 

ここでは、質の良い睡眠につながる食事のタイミングや、逆に睡眠の質を下げる可能性のある食べ物について解説します。

 

  • 睡眠を助ける「1日の食事リズム」
  • 夕食は就寝の3時間前までに
  • 朝食で体内時計をリセット
  • 睡眠の質を下げる可能性のある食べ物

 

日々の食事習慣を見直すヒントにしてみてください。

 

睡眠を助ける「1日の食事リズム」

 

快眠のためには、1日の食事リズムを整えることが大切です。

 

朝は、卵やヨーグルトなどトリプトファンを含むたんぱく質と炭水化物を組み合わせ、体内時計をリセットしましょう。

 

昼はエネルギー源とともに発芽玄米や野菜を取り入れて血糖値を安定させ、午後のだるさを防ぎます。

 

夜は魚や豆腐、野菜スープなど消化にやさしい食材を中心にすると、胃腸に負担をかけず眠りやすくなります。

 

1日の食事を通してリズムを意識することが、質の高い睡眠につながります。

 

夕食は就寝の3時間前までに

 

質の良い睡眠のためには、夕食を摂るタイミングが重要です。

 

できるだけ就寝の3時間前までには、夕食を済ませることが理想的です。

 

寝る直前に食事をすると、消化のために胃腸が働き続け、眠りが浅くなる原因になる可能性があります。

 

もし仕事などで夕食が遅くなる場合は、おかゆやスープ、うどんなど、消化のよいものを少量摂るように心がけましょう。

 

自炊の時間を確保しにくい場合は、電子レンジで温めるだけで手軽に食べられるナッシュがおすすめです。

 

さまざまな商品ラインナップが展開しているため、毎日でも飽きずに楽しめるでしょう。

 

参考文献:

小澤 啓子・鈴木 亜紀子・高泉 佳苗・岩部 万衣子・松木 宏美・赤松 利恵・岸田 恵津
「夜遅い食事と肥満との関連:システマティックレビュー」『健康教育・健康増進誌』

 

朝食で体内時計をリセット

 

夜の快眠のためには、朝食を食べることが大切な習慣になります。

 

朝の光を浴びながら朝食を摂ることで、乱れがちな体内時計がリセットされ、夜に自然な眠気が訪れやすくなるためです。

 

とくに、トリプトファンを含むたんぱく質(卵、納豆、ヨーグルトなど)と、エネルギー源となる炭水化物(ごはん、パン)を組み合わせることがおすすめです。

 

忙しくて時間がない場合でも、バナナ1本やヨーグルトのみでも摂りましょう。

 

スッキリとした目覚めのために、朝食を抜かないことが大切です。

 

 睡眠の質を下げる可能性のある食べ物

 

良質な睡眠のためには、夕食以降に避けたほうが良い食べ物や飲み物があります。

 

就寝前に避けたいものの例は、次のとおりです。

 

  • カフェイン
  • アルコール
  • 香辛料や脂っこい食事

 

カフェインが豊富に含まれるコーヒーや緑茶、エナジードリンクは脳を覚醒させる作用があるため注意が必要です。

 

また、アルコールを飲むと寝つきはよくなりますが、眠りが浅くなり夜中に目が覚めやすくなります。

 

唐辛子や強い酸味などの刺激物や揚げ物は、胃腸に負担をかけ眠りを妨げる可能性があります。

 

これらの食品は、日中に楽しみ、夜は控えることがおすすめです。

 

参考文献:

睡眠とカフェインとの関連性についての疫学研究レビュー.
厚生労働科学研究費補助金 研究報告書, 2013年(取得日:2025年10月14日)
飲酒と睡眠との関連に関する文献レビュー.
厚生労働科学研究費補助金 研究報告書, 2013年(取得日:2025年10月14日)

食事以外で睡眠の質を上げる生活習慣

 

 

食事の工夫とあわせて、生活習慣を見直すことで、さらに睡眠の質を高めることが期待できます。

 

ここでは、今日から始められる快眠のための生活習慣を3つ紹介します。

 

  • 就寝前のリラックスタイム
  • 適度な運動の習慣化
  • 睡眠環境を整える

 

食事改善とともに、ぜひ試してみてください。

 

就寝前のリラックスタイム

 

眠りにつく前は、心と体をリラックスモードに切り替えることが大切です。

 

ぬるめのお湯(38度から40度)での入浴は、心身の緊張をほぐし、スムーズな入眠を促します。

 

また、好きな音楽を聴いたり、アロマを焚いたり、軽いストレッチをするのもおすすめです。

 

一方で、スマートフォンやパソコンが発するブルーライトは脳を覚醒させるため、就寝1時間前には見るのをやめましょう。

 

自身に適したリラックス方法を見つけて、眠る準備を整えてください。

 

適度な運動の習慣化

 

日中に適度な運動をすることも、夜の快眠につながるよい習慣です。

 

ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は、心地よい疲労感をもたらし、寝つきをよくする効果が期待できます。

 

運動する時間帯は、体温が上がりやすい夕方頃が最も効果的といわれています。

 

ただし、就寝直前の激しい運動は、かえって体を興奮させてしまうため注意が必要です。

 

無理のない範囲で、運動を習慣に取り入れてみましょう。

 

 睡眠環境を整える

 

快適な睡眠のためには、安心してぐっすり眠れる寝室の環境づくりも重要です。

 

寝室は、静かで、光が遮られた暗い状態が理想的です。

 

また、温度や湿度も、季節に合わせて自分が快適だと感じる状態に保つように心がけましょう。

 

自分に合った枕やマットレスなど、寝具を見直してみるのも良い方法です。

 

毎日使用するものだからこそ、こだわる価値はあるでしょう。

 

まとめ

 

本記事では、睡眠の質を上げるための食べ物や、効果的な食事のタイミングについて解説しました。

 

質のよい睡眠のためには、眠りをサポートするトリプトファンなどの栄養素を意識して摂ることが大切です。

 

また、何を食べるかだけでなく、夕食を早めに済ませたり、朝食をきちんと摂ったりする習慣も重要になります。

 

薬やサプリに頼る前に、まずはコンビニでも手軽に買えるバナナやヨーグルト、温かい味噌汁など、身近な食べ物を食事に取り入れてみてください。

 

日々の小さな工夫を続けることが、健やかな眠りへの第一歩です。

 

※本記事は一般的な健康情報の紹介であり、特定の効果を保証するものではありません。体調に不安がある方は、医師や専門家にご相談ください。

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