【ダイエット初心者必見】管理栄養士が教える正しくやせるための基礎講座
ダイエットを始めたいけれど、何から手をつければいいかわからない!
ダイエットを始めても3日しか続かない…
上記のような悩みをお持ちではないでしょうか。
本記事では管理栄養士の視点から、体重が減る仕組みや毎日の食事の組み立て方まで、初心者に必要な基礎知識をわかりやすく解説します。
NOSH MAGAZINEでは、他にも食生活を豊かにする健康情報をお届けしています。ぜひチェックしてみてください。
※本記事は、一般的な健康情報の提供を目的としています。体調に不安のある方や、持病をお持ちの方、ご高齢の方、妊娠中の方は、必ずかかりつけ医にご相談ください。
ダイエットの本質とは?
ダイエット=やせることと思われがちですが、本質はもっと深いところにあります。体重の変化に一喜一憂するのではなく、食事・運動・睡眠など日々の生活習慣を見直して、より健康的な自分をつくることこそ本来の目的です。
見た目を整えることも大切ですが、無理な減量で心身のバランスを崩してしまっては本末転倒。自分の体を理解し、長く続けられる方法で整えていくことが本当の意味でのダイエットです。
- あなたにダイエットは必要?
- 「食べないダイエット」のリスク
- 完璧を目指すより「継続」が重要
あなたにダイエットは必要?
ダイエットが本当に必要かどうかは BMI(Body Mass Index) を目安に判断できます。BMIとは体格の判定に用いられる数値のことで、計算方法は次の通りです。
例:155cm・50kgの場合 → 50 ÷ 1.55 ÷ 1.55
- 体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
厚生労働省の公式サイトには、自動で計算できる便利なツールもあります。気になる方はぜひ利用してみてください。
▶参考:厚生労働省「BMI自動計算ツール」はこちらをクリック
| 項目 | 低体重(やせ) | 普通体重 | 肥満 |
|---|---|---|---|
| BMI*¹ | 18.5未満 | 18.5~24.9 | 25.0以上 |
一方、BMIが18.5未満の人は「やせ」に分類され、無理にダイエットをする必要はありません。特に若い女性の中には、すでに十分にやせているのに「もっと細くなりたい」と感じる人が多く、その結果、栄養不足やだるさ・疲れやすさなどの不調を招く場合もあります*³。
ただし、BMIはあくまで体重と身長の比率であるため、筋肉量や体脂肪率は反映されません。筋肉が多い人は数値が高く出ることもあります。健康的な体を目指すなら、体脂肪率・筋肉量・体調も合わせて確認するとよいでしょう。
「食べないダイエット」のリスク
極端な食事制限を行うダイエットは、短期間で体重が落ちることもありますが、長続きせず、体や心に負担を与える危険性があります。例えば次のような方法には法意が必要です。
- 糖質ゼロダイエットを徹底する
- 朝食を抜いて食事回数を減らす
- 特定の食品だけを食べ続ける
- 1日1食で我慢する
また、体重とともに筋肉も減ることで基礎代謝量が低下。基礎代謝量とは生きるために最低限必要なエネルギーのことで、低下すると同じ食事量でも体重が増加しやすい体につながるおそれがあります。

つまり、必要な栄養素を食事で摂りつつ、筋肉量を保つことが大切です。
完璧を目指すより「継続」が重要
ダイエットの成果を出すために重要なのは、「完璧さ」ではなく「続けること」です。
毎日ストイックに食事制限や運動をこなそうとすると、心身に大きなストレスがかかり、途中で挫折しやすくなります。少し食べすぎた日があっても、リズムを崩さず翌日からまた整えれば問題ありません。

ダイエットは一時的な我慢ではなく、無理なく続けられる生活習慣づくりです。完璧でなくても、少しずつ積み重ねた努力が結果につながるでしょう。
正しくやせるためのダイエットの基本原則
正しいダイエットのために知っておきたい基本原則をまとめました。ぜひ参考にしてみてください。
- 最初に知っておきたい基礎
- 1日あたりのカロリー計算法とは?
- 体重減少に向けたプランの立て方と注意点
- 継続の第一歩は正しい目標設定
最初に知っておきたい基礎
まず理解しておきたいのが 「エネルギー収支バランス」 です。これは体に取り入れるエネルギー(=摂取カロリー)と、体が使うエネルギー(=消費カロリー)の関係を示します。
具体的な計算式は以下の通りです。
- エネルギー収支バランス=エネルギー摂取量 − エネルギー消費量
上記のバランスがプラスに傾くかマイナスに傾くかによって、体重の増減が決まります。
| プラスの状態が続く | 摂取量>消費量 | 体重増加 |
| マイナスの状態が続く | 摂取量<消費量 | 体重減少 |
この関係は、水槽にたまる水の量によく例えられます。
食べ物から摂ったエネルギーが「入る水」、運動や身体活動などで使うエネルギーが「出る水」です。入る量が多ければ水槽の水(体重)は増え、出る量が多ければ減っていきます。
1日あたりのカロリー計算法とは?
ダイエットを行う際は、1日のエネルギー消費量を超えないように、エネルギー摂取量を調整する必要があります。エネルギー消費量*¹の求め方は以下の通りです。
成人(18歳以上65歳未満)を対象とした目安で、年齢・性別・生活習慣などによって数値は異なります。
- エネルギー消費量 = 基礎代謝量 × 身体活動レベル
①基礎代謝量
基礎代謝量とは、生きているだけで消費されるエネルギー量の目安です。国立健康・栄養研究所の公式サイトでは、性別・年齢・身長・体重などを入力するだけで自動計算できるツールも公開されています。
基本的には基礎代謝基準値 × 体重(kg)で求められます。
▼基礎代謝基準値▼
| 年齢 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 18~29歳 | 23.7 | 22.1 |
| 30~49歳 | 22.5 | 21.9 |
| 50~64歳 | 21.8 | 20.7 |

30歳女性・体重60kgのAさんの場合、基礎代謝量は21.9 × 60 = 約1,314kcalとなります。
②身体活動レベル
身体活動レベルは、生活の中でどれくらい体を動かすかを表す指標です。一般的には次の3段階に分類されます。
| 活動レベル | 低い | 普通 | 高い |
| 生活の目安 | 座位中心でデスクワークが多い | 立ち仕事や軽い運動をする | 肉体労働や運動量が多い |
| 基準値 | 1.5 | 1.75 | 2.0 |
計算例
Aさん(30歳・女性・体重60kg・デスクワーク中心)の場合、 デスクワーク中心であることから身体活動レベルは低い(1.5)
- ①基礎代謝量×②身体活動レベル
- 1,350 × 1.5 = 約1,971kcal
つまり、Aさんが1日を過ごすうえで必要なエネルギー消費量(=消費カロリー)は約1,971kcalです。
体重減少に向けたプランの立て方
ポイントとなるのは、体脂肪1kgを減らすために必要なエネルギーは約7,000kcalという点です*⁴。
Aさん(30歳・女性・体重60kg・デスクワーク中心)が「1か月で1kgやせたい」と考える場合、次の式でおおよその数値を求められます。
- (減らしたい体重)× 7000kcal ÷ (やせる期間)
- = 1㎏ × 7000kcal ÷ 30日
- = 約233kcal
前述の見出しで、Aさんの1日あたりのエネルギー消費量は約1,971kcalだとわかっているので、1,971kcal − 233kcal =1738kcal。
つまり、Aさんが1ヶ月で1kg痩せたいときは、摂取カロリーを1日1738kcalに設定することが一つの目安となります。

ただし、1日の摂取カロリーが基礎代謝量以下にならないよう注意しましょう。基礎代謝量を下回る食事を続けると、体が飢餓状態と判断し、筋肉を分解して代謝を低下させる恐れがあります。
継続の第一歩は正しい目標設定
目標を立てる際は、小さな目標をいくつか用意し、少しずつ達成していく方法がおすすめです。小さな成功体験を積み重ねることで、モチベーションを維持しやすくなります。
特に効果的なのは、以下のように日単位・週単位・月単位で目標を分けて設定する方法です。
| 毎日チェックできる目標 | ・水を1日1.5リットル飲む ・10分間のストレッチを行う ・野菜を毎日2皿以上食べる ・夜8時以降は食べない |
| 1週間の目標 | ・筋力トレーニングを週2回行う ・1週間の平均歩数を8000歩に増やす ・甘いお菓子を週2回以内に抑える ・1週間の平均摂取カロリーを○kcal以内にする |
| 1ヶ月の目標 | ・体重を2kg減らす ・ウエストを2cm減らす ・体脂肪率を2%減らす ・食事日記を1か月続ける |
ダイエットの食事のキホン【管理栄養士が解説】
ダイエットを成功させるうえで欠かせないのが「食事」です。
食事の基本となるのは栄養バランスを保つことです。そのうえで、次の3つの食事ポイントを意識してみましょう。
- 食事の「量」
- 食事の「質」
- 食事の「方法」

「栄養バランスを保つ」と言われても、ピンとこない方も多いですよね。 簡単に言えば、炭水化物・たんぱく質・脂質などの栄養素を偏りなく摂ることです。実は、「主食・主菜・副菜」をそろえるだけでも、自然とバランスが整います*⁵。 毎食すべて完璧でなくてもOK。まずは、ごはん+おかず+野菜の組み合わせを意識することから始めてみましょう。
食事の「量」
ダイエットを成功させるための食事のキホン、1点目は食事の「量」を意識して食べすぎを防ぐことです。
知らず知らずのうちに食べすぎてしまいやすい習慣をまとめたので、チェックしてみてください。
- 毎日、お腹がいっぱいになるまで食べている
- 外食やコンビニ食で、つい大盛りやセットを選ぶ
- 菓子類(チョコ、クッキー、スナックなど)を毎日食べる
- 甘い飲み物(カフェラテ・ジュース・炭酸飲料など)を毎日飲む
- 食後のデザートや夜のアイスが習慣になっている
- 食べ放題やビュッフェでつい食べすぎてしまう
- お酒を週に何度も飲んでいる
- お酒をよく飲み、つまみも一緒にとることが多い
- ヘルシーだと思ってナッツやドライフルーツを大量に食べている
上記のような食習慣は、一見わずかなことのようでも、積み重なると大きなカロリーオーバーにつながります。

まずは、間食や飲酒の頻度を毎日から週3回程度に減らすなど、小さなことから始めて少しずつ「量」を減らす意識を持ってみましょう。
食事の「質」
2点目のダイエットのキホンとして紹介したいのが、食事の「質」を整えることです。ダイエットというと「食事の量を減らす」ことだけに意識が向きがちですが、「何を食べるか」も重要です。
例えば、摂取カロリーを減らしていても、1日1食がファストフードやラーメンといった高脂質・高塩分の食事ばかりでは健康的にやせることはできません。塩分過多は血圧上昇の原因*¹に、脂質のとりすぎは体脂肪として蓄えられて肥満を招き、心筋梗塞などの循環器疾患のリスクを高めることがリスクを高めることが報告されています*⁶。
つまり、体重は減っても必要な栄養素が不足することで健康を損なうリスクが高まるおそれがあるのです。
上記の例以外にも、次のような食事をしている場合、食事の「質」が落ちている可能性があります。
- 外食で油の多いメニューを選びがち
- ドレッシングやソースをたっぷりかける
- 加工食品やコンビニ食を頻繁に食べる
- 甘い飲み物(カフェラテ・ジュース・炭酸飲料など)を毎日飲む
- 食炭水化物(米・パン・めんなど)中心の食事

食事の「質」を整えるには、油っぽい料理や炭水化物をすべてを我慢するのではなく、食べる回数や量を見直し、少しずつ頻度を減らしていけるとよいでしょう。
食事の「方法」
ダイエットにおいて食事の「量」や「質」と同じくらい重要なのが「方法」です。
食事の「方法」とは食べ方やタイミング、頻度、食べる速度などを指します。これらを整えることで満腹感を得やすくなり、食べすぎを防ぐことができます。
食事の「方法」を整える具体的なポイントは以下の通りです。
- 1日3食きちんと食べる
- 1口につき20回以上を目安によく噛んで食べる
- 食事時間を一定にする
- 時間をかけて食べる
- 1口の量を小さくする
- 腹八分目を意識する
管理栄養士が教える「続けられる食事管理」とは
ダイエットで大切なのは、短期間で結果を出すことではなく、健康的な食習慣を無理なく続けることです。
では、一体どのようにすれば継続しやすくなるのでしょうか。
- 食事記録やカロリー管理アプリを活用しよう
- 「毎日完璧」より「平均して良い食事」を意識する
- 忙しい人は宅配弁当を活用して食事の質をキープ
食事記録やカロリー管理アプリを活用しよう
毎日の食事や体重を記録することで、無意識の食べ過ぎや栄養の偏りに気づくことができます。また、自分の食生活を「見える化」することで、達成感や自信にもつながるでしょう。
ポイントは以下のような無理のない方法から始めることです。
- 毎食完璧に記録するのではなく、まずは1日2回から始める
- 写真撮影機能を活用して、記録のハードルを下げる
- 週に1回、1週間分をまとめて振り返る
「毎日完璧」より「平均して良い食事」を意識する
ダイエットでは、毎日100点を目指す必要はありません。1週間単位で見て、80%以上できていれば十分です。
食べ過ぎても「失敗した」と落ち込まず、「1週間トータルで調整すればOK」と考え、翌日の食事で調整すれば大きな影響はありません。
忙しい人は宅配弁当を活用して食事の質をキープ
仕事や家事で忙しい毎日、食事管理を続けるのは簡単ではありません。そんな時に活用したいのが「宅配弁当」です。最近の宅配弁当は、ダイエットや健康管理に特化したものが増えており、忙しい人の強い味方となっています。
特にナッシュは、管理栄養士が栄養バランスに配慮したメニューを開発しており、独自の栄養基準に基づいて作られています。忙しい日でも、レンジで温めるだけで「質」の高い食事を手軽に取り入れられます。
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まとめ
正しくやせるためには、消費カロリーと摂取カロリーのバランスを意識することが重要です。完璧にがんばるよりも、良い平均点を継続させることを目標にするとよいでしょう。
しかし、仕事や家事で忙しい方にとっては、毎食の準備や栄養バランスを考えるのは簡単ではありません。
そんなときに役立つのが、栄養バランスに配慮した宅配弁当サービスです。
なかでもナッシュは、管理栄養士が設計したメニューで手間をかけずに質の高い食事を取り入れたい方のサポート役におすすめです。
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参考文献(出典)
*¹厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2025年版)
*²厚生労働省|健康日本21アクション支援システム|肥満と健康
*³厚生労働省|健康日本21アクション支援システム|若い女性の「やせ」と健康・栄養問題
*⁴厚生労働省|健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023
*⁵農林水産省|栄養バランスに配慮した食生活にはどんないいことがあるの?
*⁶厚生労働省|健康日本21アクション支援システム|中性脂肪 / トリグリセリド(ちゅうせいしぼう)

石川伊澄 管理栄養士
医療系企業にて管理栄養士として勤務し、年間100件以上の個別栄養相談を担当。加齢に伴う健康課題や女性のライフステージに応じた栄養管理、若年層の食生活改善まで、幅広い年代への指導経験を持つ。現在はフリーランスとして、管理栄養士の知見を活かし、健康・食分野の記事執筆や監修を中心に活動中。
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