お酒=太る? 管理栄養士が2大原因を解説!太りにくいお酒の種類ランキング15選も

HEALTH

お酒は太るってよく耳にするけど、本当?

どんな種類のお酒を選べば太りにくい?

ダイエット中でもお酒を楽しみたい方にとって、一度は考える悩みではないでしょうか。

本記事では、管理栄養士の視点からお酒で太りやすくなる理由やメカニズムをわかりやすく解説。さらに、太る原因になりにくいお酒の選び方や飲み方のコツまで具体的に紹介します。

「お酒と上手に付き合いながら、体重管理も意識したい」という方はぜひご覧ください!

※本記事は、一般的な健康情報の提供を目的としています。体調に不安のある方や、持病をお持ちの方、ご高齢の方、妊娠中の方は、必ずかかりつけ医にご相談ください。

お酒そのものが太る原因ではない!?

右に摂取カロリー、左に消費カロリーが描かれたシーソー

そもそも体重の増減とは摂取カロリーと消費カロリーの差で決まります。摂取カロリーは飲食で体に入るエネルギーの合計で、消費カロリーは日常の動作や運動で使われるエネルギーの合計です。

摂取カロリーが多くなると体重は増え、消費カロリーが多くなると体重は減り、差がほぼ同じであれば体重は維持されます。

つまり、摂取カロリーと消費カロリーのバランスによって体重の増減が決まるため、太る原因がお酒だけとは限りません。

それでも多くの人が「お酒を飲むと太る」と感じるのには理由があります。次項では、具体的な原因とメカニズムをわかりやすく解説します。

※一方で、年齢・性別・筋肉量・普段の運動量などにより同じ飲酒量でも結果は変わります。基礎代謝量が落ちている人や運動量が少ない人は、他の人と同じ飲み方でも体重に影響が出やすい傾向が見られるケースもあります。

お酒でなぜ太る?2大理由のメカニズム

お酒を飲む社会人の集団

「お酒を飲むと太る」と感じる人が多い背景には、主に2つの理由が考えられます。

  1. 1日の摂取カロリーが多くなりやすい
  2. 食欲増進効果により食べすぎやすい

1日の摂取カロリーが多くなりやすい

アルコールは1gあたり7.1kcalのエネルギーを生み出します。

炭水化物やたんぱく質(約4kcal)や脂質(約9kcal)と比較すると、エネルギー量が高いグループに分類されるものの、アルコールは特徴的な「エンプティカロリー」と呼ばれる性質を持っています。

  • エンプティカロリー
体内にエネルギー源としてほとんど蓄えられないカロリー。この特徴から「空っぽ(=エンプティ)カロリー」と名付けられています。(※「カロリーがゼロ」という意味ではありません)

アルコールから得たエネルギーは、摂取後多くが熱となり消費されやすい性質があります。そのため、実質的なアルコール1gあたりのエネルギーは5kcal程度*¹ではないかと考えられています。

しかし、水は0kcal、お茶やウーロン茶もごくわずかなカロリーしか含まないため、それらと比べるとアルコールのカロリーは高めです。

飲む量が増えるほど1日の摂取カロリーが積み上がりやすくなり、結果として体重増加につながりやすい状況が生まれます。

また、アルコールが熱として先に消費されやすい分、食事から摂るカロリーの消費は後回しにされ、脂肪として蓄えられる可能性もあります。

食欲増進効果により食べすぎやすい

アルコールには食欲亢進作用があるため、普段より多くの食事やおつまみを摂ってしまう可能性があります。

特にビールやワインなどの醸造酒は、胃酸の分泌を促して胃の働きを活発にし、食欲を高まりやすくします。

さらにアルコールは判断力や自制心を低下させる作用もあり、普段なら控えられる量でもつい食べ過ぎてしまうおそれがあるでしょう。

その他に考えられる理由

お酒と直接的な関係はないものの、体重に影響を及ぼす可能性がある間接的な要因は以下の通りです。

●自律神経の乱れ

夜遅くまで飲酒すると、就寝時間や起床時間がずれて生活リズムが乱れやすくなります。不安定な生活リズムは自律神経の働きの乱れにつながり、食欲を調整するホルモンの分泌にも影響が出る可能性があります。

●活動量の低下

飲んだ翌日に二日酔いやだるさが残ると、普段より歩く距離が短くなるなど体を動かす量が減る傾向にあります。活動量が減ると消費できるカロリーも低下するため、体重が増えやすい状況が生まれます。

では、お酒が原因で「太る」のを防ぐには、どのような点に気をつければよいのでしょうか。

お酒でなく「飲み方」で太るかどうかが決まる!

お酒とおつまみ

お酒そのものよりも「飲み方」のほうが体重増加のリスクを高めるおそれがあります。そこで、意識したい飲み方のポイントを具体的に解説します。

  1. おつまみの選び方に気を付ける
  2. 適正量を意識して飲酒する
  3. 水や炭酸水を一緒に飲む
  4. お酒を飲む頻度を見直す

おつまみの選び方に気を付ける

多くのおつまみは脂質や糖質が多く、1品あたりのカロリーが高くなりやすいため、お酒よりも体重増加のリスクが懸念されます。

特に、以下の料理は少量でも高カロリーです。アルコールの食欲増進作用により食べる量が増えやすく、結果として総摂取カロリーが過剰になりやすい傾向にあります。

▼摂取カロリーが高くなりやすい料理例▼

  • 唐揚げやフライドポテトなどの揚げ物
  • 脂身の多い肉料理
  • ピザやグラタンなどチーズを多く使った料理
  • 砂糖やバターを使った濃厚なメニュー

しかし、飲酒中にすべての食事を避ける必要はありません。食べものを一緒に取ると血中アルコール濃度の上昇が緩やかになり酔いにくくなるとされているためです。

重要なのは選ぶ料理の種類と量です。太りにくいおつまみの具体例は以下の記事で詳しく紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。

適正量を意識して飲酒する

適正量を意識して飲むことは、飲酒による体重増加を防ぐうえで重要です。

個人に合う飲酒量は体格や体質によって異なりますが、厚生労働省では生活習慣病のリスクが高まる目安として1日あたりの純アルコール量を女性で20g以上、男性で40g以上*³と示しています。

▼純アルコール量の目安表▼

食品名・量 純アルコール量換算
ビール コップ1杯 7g
ビール中瓶 500ml 20g
ビール大瓶 633ml 25g
レギュラー缶 350ml 14g
ロング缶 20g
中ジョッキ 13g
日本酒(15%)1合 180ml 22g
日本酒(15%)お猪口 30ml 4g
チューハイ(7%)レギュラー缶 20g
チューハイ(7%)ロング缶 28g
チューハイ(9%)レギュラー缶 25g
チューハイ(9%)ロング缶 36g
ワイン 120ml(ワイングラス1杯) 12g
ウイスキー(40%)シングル水割り 原酒30ml 10g
ウイスキー(40%)ダブル水割り 原酒60ml 19g
梅酒(13%)80ml 19g
厚生労働省|健康日本21アクション支援システム|飲酒量の単位」を加工して作成

水や炭酸水を一緒に飲む

塩分の強い料理や味付けの濃いおつまみを食べた場合、口の中が乾きやすくなり、飲酒量が多くなる傾向があります。

そこでお酒1杯につき水や炭酸水を1杯挟むようにすると、のどの渇きが落ち着いてアルコール摂取量の抑制につながる可能性があります。

さらに、水や炭酸水にはアルコールの吸収スピードをゆるやかにし、急激に酔いが回るのを防ぐ働きがあることも知られています。自宅でも外食でも取り入れやすい対策なので、ぜひ試してみてください。

お酒を飲む頻度を見直す

毎日飲む習慣があると1週間単位の総摂取カロリーが増えやすく、体重が増加する可能性が高まります。

週に数日は完全に飲まない日をつくると摂取カロリーを自然に抑えやすくなり、肝臓の休息にもつながります。

「飲む量は変えずに回数だけ減らす」「外食の日だけ飲む」など、生活に合わせて取り入れやすい工夫を考えると続けやすくなるでしょう。

太る原因になりにくいお酒の種類ランキング15選

太る原因になりにくいお酒

お酒を飲む量が同じでも、カロリーが高いお酒を選ぶと1日の総摂取カロリーが増えやすく、体重への影響が出やすい傾向があります。

そこで、主要なお酒15種類のカロリーと糖質量を比較し「体重増加につながりにくい=摂取カロリーが低い」とした場合の順位をランキング形式でまとめました。

順位 食品名 エネルギー 糖質
1 ビール(淡色) 39kcal 2.8g
2 発泡酒 44kcal 3.5g
3 ビール(黒) 45kcal 3.2g
4 缶チューハイ(レモン風味) 51kcal 2.9g
5 ハイボール 59kcal 0g
6 ワイン(赤) 68kcal 1.3g
7 ワイン(ロゼ) 71kcal 3.9g
8 ワイン(白) 75kcal 1.9g
9 純米酒 102kcal 3.2g
9 純米吟醸酒 102kcal 3.7g
11 吟醸酒 103kcal 3.3g
12 本醸造酒 106kcal 4.1g
13 ベルモット(辛口) 113kcal 3.6g
14 スイートワイン 125kcal 13.3g
15 焼酎(単式蒸留) 144kcal 0g
文部科学省|日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」を加工して作成

※ランキングは、文部科学省「日本食品標準成分表」に基づく「100gあたりのカロリー」で比較しています。焼酎やウイスキーなど、水や炭酸水で割って飲むお酒は、飲む際の濃度によって1杯あたりのカロリーが異なります。

第1位:ビール(淡色)

太る原因になりにくいお酒第1位淡色ビールの画像

淡色ビールは、淡色麦芽(ペールモルト)を使ったビールでクセが少なく飲みやすいのが特徴です。糖質は含まれるものの、今回比較した15種類の中ではカロリーが最も低い結果になりました。

第2位:発泡酒

太る原因になりにくいお酒第2位発泡酒の画像

発泡酒は麦芽量を抑えてつくられたお酒で、ビールよりリーズナブルな価格と軽めの飲み口が特徴です。カロリーは比較対象の中で2番目に低いものの、糖質量は1〜5位の中ではやや高い傾向にあります。

第3位:ビール(黒)

太る原因になりにくいお酒第3位ビール(黒)の画像

黒ビールはローストした麦芽を使用した、深い香ばしさやコクが特徴です。チョコレートやコーヒーを思わせる濃厚な味わいで、少量でも満足感を得やすい点が総摂取カロリーの管理に向いています。

第4位:缶チューハイ(レモン風味)

太る原因になりにくいお酒第4位缶チューハイ(レモン風味)の画像

レモン風味の缶チューハイは、糖質量・果汁量が少なく甘さ控えめの商品が多いことが特徴です。フルーティで甘口のチューハイはカロリーが高くなりやすい一方、レモン系はすっきりした味わいで比較的カロリーが低い傾向があります。

第5位:ハイボール

太る原因になりにくいお酒第5位ハイボールの画像

ハイボールとは、ウイスキーを炭酸水で割ったお酒を指します(ランキングでは一般的な割合であるウイスキー1:炭酸水4で計算)。

ウイスキーは糖質がほとんど含まれないため、全体としての糖質量が非常に少なくなります。糖質を意識したい人におすすめのお酒です。

できるだけ太りにくいお酒の種類を選ぶには?

太る原因になりにくいお酒を選ぶ男女

お酒の種類を選ぶ際に役立つ2つのポイントを紹介します。飲み会での飲み物選びの参考にしてみてください。

  • 甘い割り材を使わないもの
  • アルコール度数が低いもの

甘い割り材を使わないもの

甘い割り材を使うお酒は、砂糖由来の糖質が増えるとともにカロリー量も高くなりやすい傾向があります。

例えば、コーラやジンジャーエール、甘い果汁ジュースで割ると、糖質量が多くなるため血糖値も上がりやすくなります。

▼具体的なお酒の種類▼

  • ビール
  • ハイボール(ウイスキー+炭酸水)
  • 無糖レモンサワー(レモン果汁+焼酎+炭酸水)

アルコール度数が低いもの

度数が高いお酒ほど純アルコール量が増えるため、同じ量でも1杯あたりのカロリーが高くなります。

例えば、180mlの泡盛(アルコール度数30%)には、約43gの純アルコールが含まれますが、水2:泡盛1の割合で180mlに薄めると、純アルコール量は約14gまで下がります。

つまり、できるだけ太りにくい選び方をする場合は度数が低いお酒を選ぶ、または水や炭酸を多めにして割るなどの方法が効果的です。

ハイボールでも太る?お酒に関する知恵袋風Q&A

γお酒に関する知恵袋風Q&A

お酒に関するよくある質問に管理栄養士が回答します。気になる項目がある方は確認してみてください。

  1. ハイボールは太らないって本当ですか?
  2. 糖質ゼロのお酒なら太らないって本当ですか?
  3. お酒とご飯ならどっちが太りますか?
  4. お酒が脂肪をためこみやすくするという話は事実ですか?

Q1.ハイボールは太らないって本当ですか?

「ハイボールは太らない」と言い切ることはできません。体重が増える原因は摂取カロリーが過剰になることであり、ハイボールでも飲み過ぎるとカロリーが増えて太るおそれがあります。

ただし、ハイボールは糖質がほとんど含まれず、1杯あたりのカロリーも比較的低いため、他のお酒に比べると太る原因になりにくいと言えるでしょう。

Q2.糖質ゼロのお酒なら太らないって本当ですか?

糖質ゼロのお酒でも太る可能性があります。糖質がゼロでも、アルコール自体に1gあたり7.1kcalのエネルギーがあるためです。

飲み過ぎると摂取カロリーは増え、さらにアルコールが食欲を刺激しておつまみを食べ過ぎるケースも考えられます。結果的に、総摂取カロリーが増えて体重の増加につながることがあるでしょう。

Q3.お酒とご飯ならどっちが太りますか?

「脂肪として蓄えられる可能性」から見ると、ご飯の方がお酒よりも太りやすいと言えます。ご飯(炭水化物)を食べすぎると、エネルギーとして使いきれなかった分が脂肪として蓄えられるためです。

一方、お酒のエネルギーは「熱」に変わり体に蓄えられにくい性質を持っています。

Q4.お酒が脂肪をためこみやすくするという話は事実ですか?

お酒が脂肪をためこみやすくするという説には、現時点では確かな根拠がありません。

たしかにアルコールは体内で優先的に分解され、その間に糖質や脂質の代謝が後回しになることがあります。しかし、それだけで脂肪をためこみやすくするとは言い切れません。

実際に脂肪の増加に影響を与えるのは、飲酒時の総摂取カロリーや、おつまみとして食べる揚げ物や締めの麺類などの食事内容の方が大きい傾向にあります。

まとめ

お酒そのものよりも「飲み方」のほうが太る原因になる可能性があります。特に、飲んでいる最中に食べる揚げ物や脂身の多い肉料理、チーズをたっぷり使った料理などはカロリーが高く、1日の総摂取カロリーを押しあげやすくします。

飲み会前に軽く食事しておくと、強い空腹を避けられるため、おつまみをつい食べすぎるリスクを減らせます。

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参考文献
厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2025年版)
厚生労働省|平成23年度「たばこ・アルコール対策担当者講習会」
厚生労働省|健康に配慮した飲酒に関するガイドライン
厚生労働省|健康日本21アクション支援システム|飲酒量の単位
出典
厚生労働省|健康日本21アクション支援システム|アルコールのエネルギー(カロリー)
厚生労働省|健康日本21アクション支援システム|アルコールとメタボリックシンドローム
厚生労働省|健康日本21(第三次)

石川伊澄 管理栄養士

医療系企業にて管理栄養士として勤務し、年間100件以上の個別栄養相談を担当。加齢に伴う健康課題や女性のライフステージに応じた栄養管理、若年層の食生活改善まで、幅広い年代への指導経験を持つ。現在はフリーランスとして、管理栄養士の知見を活かし、健康・食分野の記事執筆や監修を中心に活動中。

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