貧血気味の方必見!鉄分の多い食べ物や効率的な食べ方を紹介

HEALTH

 

「貧血には鉄分って聞くけれど、何を食べたらいいの?」

 

そう疑問に感じる方も多いでしょう。

 

実は、鉄分は吸収しづらく、不足しやすい栄養素の1つとされています。

 

そのため、鉄分を食事から摂るためには、食べ物の選び方や食べ方に気をつけましょう。

 

この記事では貧血気味の方におすすめしたい鉄分の多い食べ物や、効果的な食べ方について紹介します。

 

鉄分を効率的に摂取して、貧血を改善しましょう。

 

貧血の原因は鉄分不足!

 

 

貧血の多くは、血液中の鉄分が不足している「鉄欠乏性貧血てつけつぼうせいひんけつ」です。

 

私たちの血液中には、ヘモグロビンというたんぱく質が流れています。

 

このヘモグロビンは、酸素と結合する性質があります。肺から取り入れられた酸素は、ヘモグロビンと一緒に血流にのって全身に運ばれるのです。

 

ところが、鉄分が不足するとヘモグロビンの量が減り、全身に酸素が行き渡らなくなってしまいます。

 

鉄欠乏性貧血では以下のような症状が見られます。

 

  • 疲れやすくなる
  • 息切れしやすくなる
  • 動悸がする
  • 頭痛がする
  • 立ちくらみする

 

このような症状をもつ鉄欠乏性貧血を予防するために、日頃から意識的に鉄分を摂取しましょう。

 

鉄は1日あたりどれくらい必要?

 

 

私たちの体は鉄分を作り出すことができません。そのため、食事から摂る必要があります。

 

推奨されている1日あたりの鉄分摂取量は以下のとおりです。

 

鉄の推奨量
男性(20~49歳) 7.5mg
女性(20~49歳) 6.5mg
生理中の女性 10.5mg

 

鉄分は体の代謝にも使われ、男性で1日約1mg、女性で1日約0.8mg消費すると言われています。女性は生理中の場合、さらに1日あたり約0.5mgの鉄分が失われてしまいます。

 

しかし、鉄分は吸収率が低い栄養素で、食べた量の15%ほどしか吸収されません。そのため、先ほどの表にあるとおり、男性は約7.5mg、女性は6.5mgの鉄分を目標に摂りましょう。

 

鉄分が多く含まれる食べ物は?

 

食品中に含まれる鉄分には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」があります。

 

ここでは2つの違いと、それぞれの鉄分が多く含まれる食品を紹介します。

 

ヘム鉄と非ヘム鉄の違い

 

 

ヘム鉄と非ヘム鉄は、体内への吸収のされやすさや、含まれている食品が異なります。

 

吸収率 含まれる食品
ヘム鉄 15〜25% 肉や魚などの動物性食品
非ヘム鉄 2〜5% 野菜、豆類、穀類などの植物性食品

 

鉄分は吸収されにくい栄養素です。2種類のうち、ヘム鉄の方が比較的吸収がよく、その吸収率は15〜25%です。

 

より効率的に鉄分を摂取したい場合は、ヘム鉄を含む食品を食べるといいでしょう。

 

ヘム鉄が多い食品

 

ヘム鉄は以下のような食品に多く含まれています。

 

食品 ヘム鉄含有量
めざし 2.6mg
かつお 1.9mg
まぐろ 0.8mg
牛もも肉 2.6mg
牛レバー 4.0mg
豚レバー 13.0mg
砂肝 2.5mg

※可食部100gあたりの含有量

 

このように、肉や魚などの動物性食品に、ヘム鉄が多く含まれています。とくに赤身の部位や、レバーなどの内臓部分に豊富です。

 

ただし、レバーには苦手意識がある方もいらっしゃるでしょう。

 

そのような場合は、非ヘム鉄の多い食品も同時に取り入れましょう。そうすることで、鉄分が不足しにくくなりますよ。

 

非ヘム鉄が多い食品

 

非ヘム鉄は以下のような食品に多く含まれています。

 

食品 ヘム鉄含有量
厚揚げ 2.6mg
納豆 3.3mg
枝豆(ゆで) 2.5mg
水菜(生) 2.1mg
小松菜(生) 2.8mg
ほうれん草(生) 2.0mg
ひじき(ゆで) 2.7mg

※可食部100gあたりの含有量

 

非ヘム鉄は野菜や豆類など、植物性食品に含まれています。

 

吸収率は低いですが、日々の食事に取り入れやすい食べ物が多いですね。これらの食材も積極的に使って、鉄分を補給しましょう。

 

「貧血にはプルーンを食べておけば大丈夫」は間違い?

 

 

「貧血にはプルーンが良い」というイメージを持っている方も多いでしょう。

 

しかし、プルーンに含まれているのは、吸収率の低い非ヘム鉄です。10粒あたりの非ヘム鉄含有量は約1mgなので、1日の推奨量には大きく届きません。

 

ですから、プルーンさえ食べていれば大丈夫、という訳ではないのです。

 

日々の食事で積極的にヘム鉄、非ヘム鉄を含む食品を取り入れ、プルーンはあくまでも補助的に考えるのがよいでしょう。

 

貧血を予防する食べ方のポイント

 

吸収されにくい鉄分ですが、食べ方を工夫することで吸収効率をアップできます。

 

ここでは貧血を予防するための食べ方について解説します。

 

非ヘム鉄はビタミンCやたんぱく質と一緒に

 

 

吸収率の低いヘム鉄は、ビタミンCやたんぱく質と一緒に摂ることで吸収しやすくなります。

 

ビタミンCは以下のような食材に含まれています。

 

  • ブロッコリー
  • パプリカ
  • かぼちゃ
  • レモン
  • オレンジ
  • キウイフルーツ
  • いちご

 

しかし、ビタミンCは熱で壊れやすいという弱点があります。そのため。なるべく生の状態で食べるようにしましょう。生で食べる果物はビタミンCの補給にぴったりですよ。

 

一方で、たんぱく質は肉や魚、卵、大豆製品、乳製品に多く含まれています。そのため非ヘム鉄の多い食品を食べるときは、これらの食べ物と一緒に調理すると効率的です。

 

胃酸の分泌を促して吸収率アップ

 

 

また、胃酸の分泌が増えると鉄分の吸収率が上がります。そのため、胃酸の分泌を促すみかんやレモンなどの柑橘類、酢などを一緒に摂るといいでしょう。

 

さらに、よく噛んで食べるだけでも胃酸の分泌を増やせますよ。

 

鉄分の吸収をさまたげる成分を避ける

 

鉄分の吸収をよくする成分がある一方で、鉄分の吸収を阻害する成分もあります。

 

貧血を予防したいときは、以下のような成分・食べ物に気を付けましょう。

 

タンニン

 

 

コーヒーや煎茶、紅茶などに含まれる「タンニン」は非ヘム鉄の吸収を阻害してしまいます。

 

そのため、食事中にこれらの飲み物を飲むのは避けましょう。どうしても飲みたいときには食事との間を空けて飲むのがおすすめです。

 

リン酸塩

 

 

インスタント食品や、ベーコン・ハムなどに含まれるリン酸塩も鉄分の吸収を阻害します。

 

鉄分不足が気になる方は、加工食品を控えるようにしましょう。

 

食物繊維

 

 

食物繊維は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維に分けられます。

 

このうち不溶性食物繊維は、非ヘム鉄の吸収を阻害してしまいます。不溶性食物繊維は、ごぼうやさつまいもなどの根菜類に多く含まれています。

 

一方、わかめなどの海藻に多く含まれる水溶性食物繊維は、鉄分の吸収を上げてくれます。鉄分の多い食材と一緒に、積極的に取り入れましょう。

 

鉄製の調理器具を使う

 

 

鉄鍋など、鉄製の調理器具を使うと、鉄分が料理に溶け出します。この溶けだした鉄分は比較的吸収されやすいので、効率的に鉄分が摂れるでしょう。

 

また、トマトや酢など酸が強いものを煮込むことで、より鉄分が溶け出しやすくなります。

 

かつて鉄分の多い食材の代表とされていた「ひじき」も、ひじき自体にはそれほど鉄分が含まれていないことが判明しました。

 

鉄製の釜で加熱したひじきと、ステンレス製の釜で加熱したひじきを比較すると、鉄製の釜で調理したひじきの方が、約9倍も多く鉄分が含まれていたのです。

 

しかし、鉄製の調理器具がないという家庭も多いでしょう。そのような場合には調理用の「鉄球」を使用するのがおすすめです。

 

調理の時に鉄球を入れて加熱するだけで、手軽に料理中の鉄分を増やせますよ。

 

生理中や妊娠中はサプリという選択肢も

 

 

生理中は、いつもよりもたくさんの鉄分を消費します。妊娠中や授乳中の場合も、鉄分の必要量が増えるので、その分を補わなければなりません。

 

しかし、鉄分は吸収率が低く、ライフスタイルによっては食事だけで補うことが難しい場合も多いでしょう。

 

そのような場合は、サプリメントを活用するのも一つの方法です。

 

ちなみに、鉄分は動物性たんぱく質やビタミンCと一緒に摂ることで吸収率が上がります。そのため、サプリメントは食後に飲むのがおすすめです。

 

ただし、サプリメントは飲みすぎないように注意しましょう。なぜなら、多量に飲むと健康を害する恐れがあるからです。

 

無理なダイエットはしない

 

 

特に若い女性に多いのが、極端な食事制限を伴う無理なダイエットです。

 

ダイエットのために過度にカロリーを抑えると、同時に鉄分の摂取量も不足しがちになります。

 

ほかにも食事を抜いたり、外食が多かったりと食生活が不規則な方や、好き嫌いが激しい方も鉄分が不足しやすい傾向にあります。

 

まずは基本の食生活から見直していくのも大切ですよ。

 

貧血予防におすすめ!鉄分たっぷりメニュー

 

レバニラ炒め

 

 

レバーとニラを使ったレバニラ炒めは、貧血予防のおかずにぴったりです。特に鉄の含有量が高い豚レバーを使用すると、効率的に鉄を摂取できます。

 

レバーの臭みが気になる方は、下処理として牛乳に30分程度浸してから、調理するといいでしょう。

 

また、もやしを入れることでカロリーを抑えつつボリューム感が出せますよ。

 

あさりの炊き込みご飯

 

 

あさりに含まれる鉄は、吸収の良いヘム鉄です。

 

また、血液を作り出すのを助けるビタミンB12や、鉄の吸収を高める銅も含まれています。炊き込みご飯であれば、水に溶けやすいビタミン類も逃さずに摂取できるでしょう。

 

あさりの下処理が面倒な時には、水煮缶を使うのが便利ですよ。

 

ほうれん草と卵のスープ

 

 

鉄分が豊富なほうれん草と卵を使ってスープにするのはいかがでしょうか?

 

汁物であれば食欲がない時でも食べやすく、貧血気味の方におすすめです。トマトや酢を加えて酸辣湯サンラータン風のスープにすると、鉄分の吸収率が高まります。

 

鉄分の豊富な食べ物で貧血を予防しよう

 

 

今回は鉄分の豊富な食べ物や、貧血を予防するための食べ方をご紹介しました。

 

鉄分には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」があり、吸収率が異なります。効率的に鉄分を摂取したい方は、吸収の良いヘム鉄を含む食べ物を摂取しましょう。

 

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