ヨーグルトを食べると下痢になる?乳糖不耐症について解説
「牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする」
「乳製品を食べるとお腹が痛くなる」
牛乳やヨーグルトを食べると下痢になる方は、「乳糖不耐症」という体質のせいかもしれません。
下痢にならないためには乳製品を控えればよいのですが、カルシウムの不足が心配ですよね。
今回は乳糖不耐症について解説し、その対策やカルシウムの摂り方を紹介します。
カルシウムが効率的に摂れるレシピも紹介しますので、参考にしてくださいね。
乳糖不耐症とは?
「牛乳を飲むとお腹がゴロゴロして下痢になりやすい」
このような体質を「乳糖不耐症」といいます。この体質を持つ方は少なくありません。
まずは乳糖不耐症の原因や症状について知っておきましょう。
乳糖不耐症の原因
牛乳には「乳糖(ラクトース)」が多く含まれています。これを分解するには「ラクターゼ」という消化酵素が必要になります。
しかし、乳糖不耐症の方はこのラクターゼが少なく、乳糖を消化しきれません。すると、消化不良が起こり、お腹を壊してしまうのです。
この体質は日本人をはじめ、アジア人やアフリカ人に多く見られます。一方で、ヨーロッパ人はラクターゼの働きが強いため、乳糖不耐症にはなりにくいのです。
乳糖不耐症の症状
乳糖不耐症の方が乳糖を含む食品を口にしたときは、以下のような症状が現れます。
- お腹がゴロゴロする
- お腹が痛くなる
- 下痢になる
- おならが出る
なお、症状の程度には個人差があります。少量の牛乳で下痢になる方もいれば、ある程度の量なら問題ない方もいるようです。
また、一般的に大人になるとラクターゼの量は減っていきます。そのため、子どもの時は平気でも、大人になって症状が現れるケースも珍しくありません。
下痢の時の対処法3選
乳製品を摂って下痢の症状が現れたら、これから紹介する対処法を試してみてください。
対処法1.消化がよいものを食べる
下痢のときは消化不良を起こしているため、なるべく胃腸に負担をかけないようにしましょう。
食べ物はお腹の調子のよい時に、消化のよいものを少しずつ食べるとよいですよ。例えば、おかゆやうどん、すりりんごなどがおすすめです。
香辛料の多い食べ物やコーヒー、アルコールなどは刺激になるので避けてください。また、冷たいものは下痢を悪化させる恐れがあります。なるべく温かいものを食べましょう。
対処法2.水分を意識的に摂る
下痢のときは通常時よりも体内から水分が出てしまいます。脱水にならないように、水分補給を心がけましょう。
その際にも冷たい飲み物は避け、常温のものか温かいものにしてください。また、水分補給はお茶だけではなく、スポーツドリンクやジュース、スープもおすすめです。
そうすることで、水分だけではなく、不足しがちなビタミンやミネラルといった栄養も一緒に補給できますよ。
対処法3.市販薬を使う
つらい下痢の時には市販薬に頼る方法もあります。中には即効性のある薬もあり、すぐに症状を和らげたいときには便利です。
ただし、下痢の原因はさまざまで、牛乳の飲みすぎだけが原因とは限りません。
薬をむやみに使うのが心配な方は、医療機関に相談してみましょう。
ヨーグルトは下痢しにくい?
乳製品の一つであるヨーグルトですが、実は乳糖不耐症の方でも下痢になりにくいといわれています。
ここではその理由について見ていきましょう。
理由1.牛乳に比べて乳糖が少ない
ヨーグルトは牛乳を発酵させてできる食品です。この発酵の過程で乳糖が消費されるため、ヨーグルトは牛乳よりも乳糖が少なくなっています。
また、ヨーグルトには乳酸菌が豊富に含まれています。
この乳酸菌には乳糖を分解する働きがあります。そのため、腸に負担をかけなくて済むのです。
理由2.整腸作用がある
ヨーグルトには乳酸菌が多く含まれています。乳酸菌は生きたまま腸に届くと、腸内の善玉菌として働きます。
加えて、乳酸を生成して悪玉菌の活性を抑えるため、腸内環境がよくなるのです。
日ごろから便秘や下痢などの症状に悩まされている方は、腸内環境を整えることが大切です。
ただし食べ過ぎには注意
ヨーグルトは牛乳に比べ乳糖が少ないですが、全く含まれていないわけではありません。そのため、乳糖不耐症の方は、食べ過ぎると下痢の症状が現れる場合があります。
ヨーグルトは1日100g程度を目安にし、食べ過ぎないようにしてください。
症状を出にくくしたい場合は、無糖や低乳糖と表記のあるヨーグルトを選びましょう。
どうしても食べたい場合は、乳糖分解酵素のサプリメントを併用しながらヨーグルトを食べるのもおすすめです。
乳糖不耐症でもカルシウムを摂る方法は?
カルシウムを補給する食品として最も優秀なのは牛乳です。しかし、牛乳を飲めない乳糖不耐症の方は、カルシウムの不足が心配ですよね。
ここでは下痢になりにくい食べ方と、牛乳以外にカルシウムが多く含まれる食品を紹介します。
方法1.乳糖の少ない乳製品を摂る
乳糖不耐症は乳製品全般を食べられないというわけではありません。
先述したヨーグルトもそうですが、チーズも問題なく食べられるケースがほとんどです。また、牛乳もあらかじめ乳糖が除去されたタイプが売られています。
乳糖不耐症の方でも、少量であれば症状が出ないこともあります。かかりつけ医に相談の上、むやみに乳製品を避けずに、自分に合った量を摂れるといいでしょう。
方法2.ヨーグルトを温めて食べる
あまり馴染みがないかもしれませんが、ヨーグルトを温めて食べる方法もあります。
温めることで腸の温度が上がり、ラクターゼの働きが活性化します。
そうなることで、冷たいものを食べたときよりも乳糖が分解されやすくなり、消化不良を起こしにくくなるでしょう。
方法3.大豆製品を食べる
大豆は優秀なたんぱく質でありながら、カルシウムを多く含んでいます。主な大豆製品100gあたりのカルシウム量は以下のとおりです。
木綿豆腐 | 93mg |
絹ごし豆腐 | 75mg |
納豆 | 91mg |
きな粉 | 190mg |
がんもどき | 270mg |
特に豆腐は味が淡白でヘルシーな食材です。そのため、さまざまな料理に合わせやすいでしょう。
方法4.魚介類を食べる
魚介類の中でも特にカルシウムが多いとされるものは以下の食品です。
煮干し | 2,200mg |
めざし(焼き) | 320mh |
しらす(干し) | 520mg |
桜えび | 690mg |
とても多いように感じますが、あくまで100gあたりのカルシウム量です。
煮干しやしらすなど魚の骨まで丸ごと食べられるものは、たくさん食べられるのでカルシウムを多く摂れますよ。
方法5.カルシウムの多い野菜を食べる
野菜の中でもカルシウムが多いとされる食品は以下のとおりです。
小松菜 | 170mg |
春菊 | 120mg |
オクラ | 92mg |
枝豆 | 58mg |
※可食部100gあたりの含有量
野菜がカルシウムの供給源となるイメージはあまりないですが、実は多く含まれているものもあります。
大豆製品や魚介類と組み合わせることで、効率的にカルシウムが摂れるでしょう。
カルシウム補給におすすめのレシピ3選
最後にカルシウムを効率的に摂れるレシピを紹介します。
しらすチーズトースト
【材料】 1人分
- 食パン(6枚切り)1枚
- しらす干し 15g
- 青じそ 1枚
- 焼きのり 1枚
- ピザ用チーズ 25g
【作り方】
- 食パンにしらす干し・ピザ用チーズを乗せてトースターで焼く
- 焼きあがったら、千切りにした青じそ、焼きのりを散らす
トースターで簡単にできるレシピで、忙しい朝にもおすすめです。しらす干しとチーズの組み合わせで、効率的にカルシウムが摂取できます。
しらす干しの塩味と青じその風味で、調味料がなくても美味しく仕上がりますよ。
ひじきと桜えびのおにぎり
【材料】
- ご飯 400g
- 乾燥ひじき 4g
- にんじん 10g
- 乾燥桜えび 8g
- サラダ油 小さじ1
- A.しょうゆ 小さじ1・1/3
- A.砂糖 小さじ1
- A.みりん 小さじ1/3
- A.かつおだし 80ml
【作り方】
- ひじきは水でもどしてお湯で茹で、水気を切る
- にんじんは千切りにする
- 小鍋にAの調味料を加え、ひじきとにんじんを煮る
- 桜えびはサラダ油で軽く煎る
- 材料とご飯をよく混ぜ合わせ、おにぎりを握る
桜えびとひじきを混ぜ込んで作るおにぎりは、いつでも手軽にカルシウムが補えます。彩りがいいので、お弁当に入れると華やかになるでしょう。
鮭のホイル焼き
【材料】 2人分
- 生鮭 2切れ
- 塩こしょう 各少々
- たまねぎ 1/2個
- 小松菜 150g
- まいたけ 50g
- みそ 大さじ1
- バター 20g
【作り方】
- 鮭に塩こしょうを振る
- 玉ねぎは薄切り、小松菜はざく切りにし、まいたけは手でほぐす
- みそは同量の水で溶いておく
- アルミホイルを2枚広げ、それぞれ鮭・野菜類・みそ・バターをいれ、包む
- フライパンに4を並べ、底から1㎝程度水を加え、蓋をして火をつける
- 沸騰したら弱火にし、10分ほど蒸し焼きにする
鮭はビタミンDが豊富で、カルシウムの吸収を促進します。また、小松菜はカルシウムが豊富な野菜なので、より効率的にカルシウムが摂れますよ。
乳糖不耐症でもカルシウムを摂ろう!
今回は乳糖不耐症について解説しました。
乳糖不耐症とは牛乳に含まれる乳糖が消化しきれず、下痢になりやすい体質のことです。しかし、ヨーグルトなどの乳製品は乳糖が少なく、問題なく食べられる場合もあります。
また、乳糖不耐症によりカルシウム不足が心配な方は、牛乳以外の食材からカルシウムを摂るとよいでしょう。
自分にとって適切な量を見極めて、バランスのいい食事を心がけてみてください。
ナッシュがあなたの健康管理をサポート
毎日健康的に過ごすためには、栄養バランスの良い食事を摂ることが重要です。
「手軽に美味しく栄養管理をしたい!」
そんな場合は、ナッシュの冷凍宅配弁当を試してみてはいかがでしょうか?
ナッシュのお弁当は、管理栄養士がメニューを開発しています。
すべてのメニューが糖質30g、塩分2.5g以下で設計されています。さらに、食物繊維量やカロリーも、アプリやお弁当のフタから簡単に確認できます。
電子レンジで温めるだけで、栄養バランスに配慮した食事ができるナッシュのお弁当。忙しい時や食事を作るのがめんどくさい時にもぴったりです。
自社のシェフが監修しているので、味も美味しくメニューも60種類以上と豊富です。さらに、毎週3種類の新しいメニューが登場するので、美味しく飽きずに続けることができますよ。
ナッシュの詳しい情報を、ぜひチェックしてみてください。