塩分の取りすぎサインとは?食事で無理なく食塩コントロールを続ける方法

HEALTH
 

健康的な食生活を考える上で、塩分の摂取量は重要な要素です。
しかし、「塩分の取りすぎは体に良くないと聞くけれど、具体的に何が問題なのか」「味が薄くなりそうで難しい」といった疑問を持つ方は少なくありません。

塩分の過剰摂取は、むくみや将来的な生活習慣病のリスクを高める可能性があります。
一方で、調理の工夫や食材選びによって、無理なくおいしい食塩コントロールを続けることは可能です。
本記事では、塩分の取りすぎが引き起こす体のサインや1日の摂取目安、そして今日から実践できる食塩制限のコツを具体的に解説します。
正しい知識を身につけ、自身の食生活を見直すきっかけとして、ぜひご一読ください。

 
 

塩分の取りすぎが引き起こす体のサイン

   

塩分を摂りすぎると、体にさまざまな症状が引き起こされます。
代表的な症状は、多くの方が経験する「むくみ」や「だるさ」です。また、将来的な病気のリスクが懸念されます。
それぞれのサインについて具体的に解説します。

むくみやだるさ

塩分の摂りすぎは、むくみやだるさの原因になることがあります。
体は、体内の塩分濃度が高くなると、薄めるために水分を溜め込もうとし、顔や足の「むくみ」として現れるとされます。
また、むくみによって血行が悪くなると、体が重く感じる「だるさ」に繋がる可能性もあるでしょう。
このような身近なサインは、自身の食生活を見直すきっかけといえます。

高血圧や生活習慣病のリスク

塩分の過剰な摂取は、高血圧を引き起こす原因の一つです。
塩分を摂りすぎると血液中のナトリウム濃度が高まり、血圧が上昇します。
高血圧の状態が続くと血管に常に負担がかかり、動脈硬化を引き起こす可能性があります。
将来的には、脳卒中や心筋梗塞、腎臓病といった重大な病気のリスクを高めることにもつながるでしょう。健康診断で血圧が高めと指摘された方は、とくに注意が必要です。

1日の塩分摂取量の目安

 

塩分のリスクを理解したうえで、次に知りたいのは「どれくらいが適切な量なのか」でしょう。
ここでは、国が示す目標値と、実際の日本人の平均摂取量を比較して解説します。

厚生労働省が示す目標値

厚生労働省が公開している日本人の食事摂取基準(2025年版)では、1日あたりの食塩摂取量の目標値が定められています※1。
生活習慣病を予防するための目標は、成人男性は「7.5g未満」、成人女性は「6.5g未満」です。
高血圧や慢性腎臓病の重症化予防を目指す場合は、さらに厳しい目標として1日6g未満が推奨されます。まずは数値を把握し、自身の健康管理の目安にしましょう。

日本人の平均摂取量との比較

厚生労働省が示す食塩摂取の目標値に対して、実際の日本人の平均摂取量は高い水準にあります。
厚生労働省「令和5年 国民健康・栄養調査」によると、日本人の食塩摂取量は1日あたり平均9.8gです※2。目標値よりも約2g以上多い数値といえます。
たとえば、大さじ1杯(15g)の濃口醬油には2.2gの食塩が含まれています。つまり、「気づかないうちに使用した調味料」で、簡単に1日の目標量をオーバーしていることがわかるでしょう。

普段と同様な使用量でも、無意識に塩分を摂りすぎている可能性があります。現状の摂取量を知ることが、食生活を見直す第一歩になります。

塩分が多い意外な食べ物

塩分摂取をひかえようと意識するためには、どのような食品に塩分が多く含まれているかを知ることが大切です。
ここでは、特に注意したい意外な食べ物を3つのカテゴリに分けて紹介します。

主食類(パンや麺類)

パンや麺類といった主食にも、意外と多くの塩分が含まれています。
食パンやロールパンなど、甘くないパンにも製造過程で塩が使用されます。また、うどんやそうめんなどの麺類も、麺自体に塩分が含まれることが一般的です。
おかずの塩分に気をつけていても、主食から気づかないうちに塩分を摂取している可能性があります。とくにパンは、バターやジャムを塗ることで、さらに塩分が増える点も把握するとよいでしょう。

加工食品やインスタント食品

手軽で便利な加工食品やインスタント食品も、塩分が多くなりがちな食品の代表です。
ハム、ソーセージ、ベーコンといった加工肉や、ちくわ、かまぼこなどの練り物は、保存性を高めるために多くの塩分が使用されています。
また、インスタントラーメンやカップスープは、とくにスープに塩分が多く含有します。忙しいときに頼りがちな食品ですが、利用する頻度を見直すことが塩分コントロールにつながります。

調味料やスープ類

料理の味付けに欠かせない調味料やスープにも、多くの塩分が含まれています。
醤油や味噌はもちろん、ケチャップ、ソース、マヨネーズ、ドレッシングなどにも注意が必要です。また、「だし入り」の味噌やめんつゆは便利ですが、塩分が高めな傾向があります。
外食時のラーメンやうどんのスープは、全て飲み干すと1日の目標量に近い塩分を摂取するリスクが考えられます。スープは残す習慣をつけることがおすすめです。

無理なく塩分コントロールを続ける6つのコツ

塩分を控えた食事をはじめたい場合でも、味が薄くなりそうで続けることが難しいと感じる方もいるでしょう。しかし、少しの工夫でおいしく塩分に配慮した食事が摂取できます。
ここでは、無理なく塩分コントロールを続けるための6つのコツを紹介します。

  • だしや香辛料で風味を足す
  • 酸味や油のコクを利用する
  • カリウムを多く含む食材を選ぶ
  • 食べる量を減らす工夫
  • 加工食品や調味料の選び方
  • 塩分配慮されたサービスを選択する

ここからは、それぞれのコツを詳しく解説します。

だしや香辛料で風味を足す

塩分を減らした際の「物足りなさ」は、うま味や風味で補うことがおすすめです。
昆布や鰹節、しいたけなどから取った天然のだしは、豊かなうま味成分を含んでおり、塩味が少なくても料理の満足感を高める効果が期待できます。
また、コショウや唐辛子、カレー粉などの香辛料や、しそ、生姜、ニンニクといった香味野菜も風味付けに役立ちます。
風味が強い食材を活用することで、「塩分が少ない食事は味が薄い」といったイメージを払拭できるでしょう。

酸味や油のコクを利用する

お酢やレモン汁などの酸味や、油が持つコクも、塩分コントロールの強い味方になります。
酸味は料理の味のアクセントになり、塩味を補う効果が期待できます。
炒め物や和え物に少し加えれば、サッパリとしながらも満足感のある一品に仕上がるでしょう。
また、ごま油やオリーブオイルといった良質な油は、料理にコクと風味をプラスします。
食材を焼いたり揚げたりして香ばしさを出すことで、少ない塩分でおいしく感じられるでしょう。

カリウムを多く含む食材を選ぶ

塩分コントロールとあわせて、カリウムを多く含む食材を意識的に摂ることも大切です。
カリウムには、体内の余分なナトリウム、つまり塩分を体の外へ排出する働きが期待されます。
塩分の排出を促すことで、体内のナトリウム濃度を低下させられるでしょう。
カリウムは、ほうれん草などの野菜、バナナやキウイなどの果物、いも類、海藻類に豊富です。毎日の食事にこれらの食材をプラスすれば、手軽に塩分量を配慮した食事になります。

食べる量を減らす工夫

調味料の使い方を少し変えると、摂取する塩分量を自然に減らせるでしょう。
たとえば、醤油やソースは料理に直接「かける」のではなく、小皿に入れて「つける」方法に変えることで、使用量を自然に減らせます。
また、味噌汁やスープなどの汁物は、野菜やきのこなどを多くの食材を入れて具だくさんにするとよいでしょう。
ボリューム感により満腹を感じやすく、飲む汁の量を減らせます。ラーメンやうどんのスープを残すことも、無理なく塩分をコントロールした食事になるといえるでしょう。

加工食品や調味料の選び方

買い物をする際に、商品選びを工夫するのも手軽な方法です。 スーパーやコンビニなどでは、「減塩」や「食塩〇%カット」と表示された商品を選ぶことが簡単です。最近では、醤油や味噌、ハムなどさまざまな塩分量を調整した商品が販売されています。
また、食品の裏側にある「栄養成分表示」を確認する習慣もおすすめです。
「食塩相当量」の項目をチェックすれば、食品に含まれる塩分量が分かります。複数の商品を比較して、より塩分の少ないものを選ぶとよいでしょう。

塩分に配慮されたサービスを選択する

無理なく塩分コントロールを続けたいなら、宅配食サービス「ナッシュ」の活用がおすすめです。
自炊で毎回塩分量を計算するのは大変ですが、管理栄養士が監修した宅配食「ナッシュ」なら、塩分が調整されたメニューを手軽に安心して取り入れられます。
「ナッシュ」は、1食あたり塩分2.5g以下に設計されており、電子レンジで温めるだけで手軽に塩分コントロールした食事が楽しめます。和・洋・中の幅広いメニューがそろっているため、飽きずに食事ができるでしょう。
手間を減らしつつ塩分コントロールを習慣化したい方に、ナッシュは頼もしいサポートとなります。

 

塩分を摂りすぎた翌日の対処法

気をつけていても、外食や飲み会でつい塩分を摂りすぎることもあるでしょう。その場合は、摂り過ぎた翌日の食事で調整できます。
ここでは、摂りすぎた塩分をリセットするための対処法を2つ紹介します。

カリウムでナトリウムの排出を促す

塩分を摂りすぎた翌日は、カリウムが豊富な食材を積極的に食事に取り入れましょう。
カリウムには体内の余分なナトリウムを排出する働きがあります。
カリウムの働きを利用して、体内の塩分バランスを整えることで、対処できます。
たとえば、朝食にバナナやヨーグルトを加えたり、食事にほうれん草のおひたしやアボカドのサラダをプラスしたりする方法が手軽でおすすめです。
摂りすぎても調整できると理解すれば、安心して塩分を控えた食生活を続けやすくなります。

水分を適切に補給する

水分を適切に補給することも、余分な塩分の排出に役立ちます。
水を十分に飲むことで尿の量が増え、尿と一緒に塩分が排出されやすくなります。また、体内の塩分濃度を薄める効果も期待できます。
ただし、一度に大量に飲むのではなく、1日を通してコップ1杯程度をこまめに飲むのがおすすめです。
糖分や塩分を含むジュースやスポーツドリンクは避け、水やお茶を選びましょう。

毎日の塩分コントロール食が難しいと感じたら

塩分コントロールのコツを把握していても、毎日実践するのは大変だと感じるかもしれません。とくに忙しい方は、負担になることもあるでしょう。
その場合は、無理せずできることからはじめることや、便利なサービスを活用することが大切です。

完璧を目指さずできることからはじめる

塩分コントロール生活で最も大切なのは「続けること」です。最初から完璧を目指す必要はありません。
「まずは週に数日から」「夕食のみ食塩を控えることを意識する」など、自身の生活スタイルにあわせて、無理のないペースではじめることが続けるコツです。
紹介したコツのなかから、一つでも取り入れやすいものから試してみてください。無理なく続けるうちに、徐々に薄味にも慣れていくことができるでしょう。

ナッシュを活用する選択肢

「毎日の自炊は大変」「栄養計算は難しい」と感じる方には、宅配弁当サービスが便利な選択肢です。
「ナッシュ」弁当は、管理栄養士がメニューを開発しており、全てのメニューが塩分2.5g以下に設計されています。
電子レンジで温めるだけで、手軽に塩分に配慮されたバランスのよい食事が摂れます。
自身で調理や計算をする手間が省けるため、忙しい方でも無理なく塩分コントロール生活を続けられます。ぜひ、ナッシュのサービスを活用してみましょう。


塩分に関するよくある質問

最後に塩分に関するよくある質問に回答します。

食塩を減らすことで頭痛が起きるのはなぜ

急激に食塩の摂取量を控えることにより、体内の水分とナトリウムのバランスが変化し、一時的に頭痛が起きる可能性があります。
通常は、体が新しい塩分量に慣れるにつれて症状は治まることが多いです。しかし、症状が長引く場合は、自己判断せずに医師に相談することを推奨します。
自己流で極端な塩分制限を行うのは避け、緩やかに塩分を控えていくことが大切です。

汗をかいたら塩分補給は必要

日常生活でかく程度の汗であれば、食事から摂る塩分で十分補給できるため、特別な塩分補給は基本的に不要です。
ただし、猛暑のなかでの長時間の運動や作業などで大量に汗をかいた場合は、塩分摂取が必要です。熱中症を予防するために、水分と塩分の両方を適切に補給することが重要になります。
状況に応じて判断しましょう。

子供の塩分摂取量の目安は

子供は大人よりも体が小さいため、より少ない塩分量が推奨されています。
推奨される塩分摂取量の目安は年齢により異なります。たとえば1〜2歳であれば1日2.5~3g未満が目標です。
味覚が形成される大切な時期であるため、子供の頃から薄味を基本とした食生活を心がけるとよいでしょう。濃い味に慣れると、将来の健康リスクにつながる可能性があります。

まとめ

本記事では、塩分の取りすぎが引き起こす体のサインから、1日の摂取目安、無理なく食塩制限の食事を続けるための具体的なコツについて解説しました。
塩分の過剰摂取は、むくみや高血圧のリスクを高める可能性があります。しかし、だしや香辛料を活用したり、カリウムが豊富な食材を選んだりすることで、美味しさを保ちながら塩分を控えられます。
電子レンジで温めれば食べられるナッシュを賢く活用し、無理なく食塩コントロールをしましょう



\ナッシュの魅力を深掘り!/

 

参考文献・出典

村瀬由真 管理栄養士

病院・給食委託会社での勤務経験あり。生活習慣病・精神疾患患者の栄養指導や嚥下食開発に従事。心と体を整える食生活支援を得意とし、現在はフリーランスWEBライターとして食事関連の記事執筆・監修を行う。

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