疲労回復におすすめの食べ物とは?疲れの原因ごとに対処しよう

HEALTH

 

「なんだか体がダルい」

「なかなか疲れが取れない」

無意識のうちに疲労が溜まっていませんか?

 

疲れているなと感じても、毎日の仕事や家事でゆっくり休めないこともありますよね。

 

そこで今回は、日頃の疲れを回復する効果のある食べ物について紹介します。

 

疲労を感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

 

あなたの疲れは何が原因?

 

一言に「疲労」と言ってもさまざまな種類がありますが、大きく分けて次の3つに分けられます。

 

  • 肉体的な疲労
  • 精神的な疲労
  • 夏バテなど気温の変化による疲労

 

まずは、ご自身の疲労の原因を把握しましょう。

 

疲労の原因に適した栄養を補うことで、疲労回復の即効性が狙えますよ。

 

原因1.肉体疲労

 

 

肉体疲労とは、体を動かしたことによる「筋肉の疲れ」のことです。

 

つまり、肉体疲労は力仕事をしたり、たくさん歩いたり、スポーツを楽しんだりしたときに感じます。

 

体を動かすエネルギー源となるのは、筋肉の中に蓄えてある次の物質です。

 

エネルギー源 特徴
クレアチンリン酸 アミノ酸の1種であるクレアチンの構造が変化したもの。短距離走のような、短時間で強度の強い運動をするときにエネルギー源となる。
グリコーゲン 糖の1種。体内のグリコーゲンのうち約8割が筋肉に蓄えられている。中距離走のような運動のときに、エネルギー源となる。
脂肪 長距離走など持続的な運動のときに、エネルギー源となる。脂肪をエネルギー源とするときには、グリコーゲンも必要になる。

 

このように中長期的に体を動かすためにエネルギーとして使われるのが、グリコーゲンと呼ばれる物質です。

 

このグリコーゲン不足が筋肉の疲れ、つまりは肉体疲労の原因となると言われています。

 

ただし疲労は個人差が大きく、さまざまな原因が組み合わさっています。

 

使った筋肉の血液循環を良くすることも、肉体疲労の回復に有効です。栄養補給と合わせて、ストレッチや入浴、マッサージなども試してみてください。

 

原因2.精神疲労

 

 

精神疲労とは、長時間の思考やストレスなど「肉体疲労以外の疲労」のことです。パソコンを使った作業や対人ストレスなどが、精神疲労にあたります。

 

精神疲労の引き金は、脳の中で活性酸素が多く発生することだと言われています。

 

そもそも活性酸素とは?

 

活性酸素とは、体内で働きが強くなった、いわゆる活性化した酸素のことです。

 

私たちが生きていくうえで、酸素は必要不可欠です。そのため、活性酸素も神経の伝達や免疫機能に関わる重要な役割を持っています。

 

活性酸素が増えすぎると、どうなる?

 

 

しかし、体に重要な活性酸素も、増えすぎると体内の細胞を傷つけてしまいます。そうすることで、疲労につながるのです。

 

本来であれば、私たちの体は活性酸素が過剰にならないように調節しています。しかし精神疲労や紫外線、喫煙などにより活性酸素が過剰になってしまうこともあるのです。

 

活性酸素が細胞を傷つけると、次のような反応が起こります。

 

  1. ストレスなどにより、活性酸素が増える
  2. 活性酸素が、神経細胞やたんぱく質を傷つける
  3. 神経細胞やたんぱく質が、修復される
  4. 修復時に生じた、免疫物質の影響で疲れる

 

したがって活性酸素が過剰にならないようにすることは、疲労を予防、回復することにつながります。

 

活性酸素を増やさないためには、抗酸化物質を意識して摂るとよいでしょう。

 

抗酸化物質として有名なものに、ビタミンCなどの栄養素があります。詳しくはのちほど「精神疲労の回復に役立つ食べ物」で紹介しますね。

 

原因3.夏バテなどの気温変化による疲労

 

 

暑くなると食欲が低下したり、だるくなったりと体の不調を感じる方も多いでしょう。この症状が「夏バテ」です。

 

では、なぜ夏バテになるのでしょうか?

 

私たちの体は、次のようなメカニズムで体温を一定に保とうとします。

 

  1. 気温が高くなると、体温も上がる
  2. 体温を下げるために、汗をかく
  3. 汗が蒸発して、体温を下げる

 

しかし気温だけでなく湿度まで高くなる夏場は、汗が蒸発しづらくなります。そうすると体温調節がうまくできなくなり、体に不調が現れるのです。

 

肉体疲労の回復に役立つ食べ物

 

ここでは体を動かした後、筋肉が疲れているときにおすすめの食べ物について紹介します。

 

肉体疲労の主な原因は、糖質の一種であるグリコーゲンの不足です。糖質と、これから紹介する疲労を回復する栄養素を含む食材をバランス良く取り入れましょう。

 

たんぱく質とビタミンB1を含む「豚肉」

 

 

肉体疲労の回復におすすめの食べ物は豚肉です。

 

豚肉には、たんぱく質とビタミンB1が豊富に含まれています。これらの栄養素は次のような働きをしてくれます。

 

栄養素 働き
たんぱく質 筋肉やホルモンの材料となる
ビタミンB1 糖質をエネルギーに変えるのを助ける

 

体を動かすと、筋肉の分解が進んでしまいます。その修復に欠かせない栄養素が、筋肉の材料となる「たんぱく質」です。また、たんぱく質は筋肉の修復を促す成長ホルモンの材料にもなっています。

 

一方で、ビタミンB1は糖質をエネルギーに変えるために必要な栄養素です。したがって、肉体疲労回復のために糖質を摂るときには、ビタミンB1も補うよう心がけましょう。

 

日本人の食事摂取基準によると1日に摂りたいビタミンB1の量は、18〜49歳男性で1.4g、同年代の女性は1.1gです。

 

豚ロースの赤身には、100gあたり0.8mgのビタミンB1が含まれています。つまり豚ロースのソテーを1枚食べると、1日に摂りたいビタミンB1の半分以上が補えるでしょう。

 

体が疲れているなと感じたときには、積極的に豚肉を食べるとよいですね。

 

ビタミンCとアリシンを含む「ねぎ」

 

 

ねぎには、ビタミンCやアリシンという栄養素が含まれています。

 

疲労回復に役立つそれぞれの栄養素の働きは、以下のとおりです。

 

栄養素 働き
ビタミンC 筋肉と骨をつなぐけんの主成分となる、コラーゲンの生成に必要
アリシン ビタミンB1の吸収を高める

 

つまり、豚肉とねぎを一緒に食べれば、糖質を効率よくエネルギーに変えられると共に、筋肉などの体作りにも効果的です。

 

精神疲労の回復に役立つ食べ物

 

次に、精神疲労の回復に役立つ食べ物について紹介します。

 

精神疲労の予防と回復には、抗酸化物質を含む食べ物がおすすめです。

 

ビタミンACEを含む「かぼちゃ」

 

 

かぼちゃには、ビタミンA、C、Eの3種類のビタミンが含まれています。これらは、まとめて「ビタミンACE(エース)」とも呼ばれます。

 

ビタミンACEは、活性酸素の働きを抑える抗酸化ビタミンです。

 

また、それぞれのビタミンを単独で摂るよりも、一緒に摂るとより効果を発揮します。かぼちゃはビタミンACEがそろっているので、抗酸化ビタミンを補うのにおすすめの食べ物です。

 

なおビタミンAとビタミンEは、油脂との相性がよいのが特徴です。

 

そのため、油を使った炒め物や、牛乳やバターを使ったポタージュなど、油脂と一緒にかぼちゃを食べると、ビタミンの吸収率が高まりますよ。

 

カルシウムが豊富な「牛乳」

 

 

ビタミンのほかに、神経の興奮を抑えるカルシウムも精神疲労の回復に適した栄養素です。

 

効率よくカルシウムを補うには、牛乳がおすすめです。

 

牛乳にはカルシウムだけでなく、カルシウムの吸収率を高める栄養素も含まれています。その栄養素とは、ビタミンDとCPP(カゼイン・ホスホ・ペプチド)というたんぱく質です。

 

カルシウムと言えば、骨や歯の健康に役立つイメージが強いかもしれません。ところがカルシウムには、神経の興奮を抑える働きもあるのです。

 

日ごろからカルシウムを十分に摂り、体と心の健康を保ちましょう。

 

牛乳が苦手な方は無糖のヨーグルトや、チーズなどの乳製品を取り入れてもよいですね。

 

夏バテの回復に役立つ食べ物

 

気温の変化による疲労には、旬の食べ物が適しています。

 

なぜなら旬の食べ物には、その時期に起こりやすい体調の変化に対応するための栄養素が含まれるからです。

 

たとえば、夏バテを回復するには、夏に旬を迎える食べ物がおすすめです。

 

リコピンたっぷりな「トマト」

 

 

夏野菜と言えば、トマトをイメージする方も多いでしょう。

 

トマトの赤色色素であるリコピンは、抗酸化力が強いのが特徴です。そのため、活性酸素の働きを抑え、疲労回復を促してくれるのです。

 

またトマトには水分が多く含まれるので、汗で出ていった水分を補ったり、熱を持った体を冷やしたりする効果があります。

 

近年トマトは、1年を通して購入できるようになりました。しかし、旬である夏はトマトの栄養価が1番高い時期だと言われています。

 

トマトは手軽に食べられる野菜ですから、夏バテ解消のためにも積極的に摂りたいですね。

 

クエン酸を含む「梅干し」

 

 

梅干しはクエン酸を含むので、食欲増進の効果が期待できます。

 

夏バテで食欲が減ると冷たい麺類や飲み物ばかりになり、栄養が偏りがちです。

 

栄養が偏ると、私たちの体はエネルギーをうまく作り出せません。その結果、疲れやすい体となってしまいます。

 

したがって、夏バテ解消のためにはバランスのよい食事が大切なのです。梅干し料理で食欲をアップし、夏バテ解消につなげましょう。

 

簡単レシピ!疲労回復メニューを紹介

 

それぞれの疲労に対して、回復に役立つ食べ物を紹介しました。

 

疲労回復のために、たとえば今回ご紹介した食べ物を使った、次のような献立はいかがでしょうか?

 

メニュー例

  • 豚しゃぶ(梅ソース、白髪ねぎ添え)
  • かぼちゃのポタージュ
  • トマトサラダ
  • ごはん

 

それぞれのレシピを紹介します。疲労回復のために、ぜひ使ってみてくださいね。

 

豚しゃぶ(梅ソース、白髪ねぎ添え)

 

 

豚しゃぶは電子レンジのみでも作れます。そうすれば火を使わないので、暑い日の調理にも適していますよ。

 

【材料】2人分

  • 豚肉 150g
  • もやし 1/2袋
  • 白髪ねぎ 適量
  • 梅干し 2個
  • A:和風だし 小さじ1/4
  • A:醤油 小さじ2
  • A:みりん 小さじ1
  • A:水 大さじ1

 

【作り方】

  1. 梅干しの種を取り、包丁で叩いて潰す
  2. 1.にAの調味料を混ぜ合わせる
  3. 耐熱皿にもやしを入れ、上から豚肉を重ならないように並べる
  4. ラップをして、600Wの電子レンジで5分程度加熱する
  5. 豚肉に火が通っていることを確認して、取り出す
  6. 上から2.の梅ソースと白髪ねぎを乗せたら、完成

 

かぼちゃのポタージュ

 

 

ビタミンたっぷりかぼちゃのポタージュは、冷やしても美味しく食べられます。元気な日に作り置きをしておいてもよいですね。

 

【材料】2人分

  • かぼちゃ 100g
  • 玉ねぎ 20g
  • 小麦粉 小さじ1.5
  • 牛乳 300g
  • バター 5g
  • 塩コショウ 適量

 

【作り方】

  1. かぼちゃは種とワタを取り、皮を剥いて1口大に切る
  2. かぼちゃをビニール袋などに入れ、電子レンジ600Wで2分加熱する
  3. 硬い場合は、様子を見ながら追加で30秒ずつ加熱する
  4. 玉ねぎは薄切りにする
  5. 鍋にバターと玉ねぎを入れ、透明になるまで火を通す
  6. 玉ねぎにまぶすように小麦粉を入れ、弱火で炒め合わせる
  7. 小麦粉がなじんできたら牛乳を半量加える
  8. 牛乳が温まったら、かぼちゃを入れ2分程度加熱する
  9. 粗熱を取り、残りの牛乳を加えてミキサーにかける
  10. 滑らかになったら、塩コショウで味を整えて完成

 

トマトサラダ

 

 

【材料】2人分

  • トマト 1個
  • 塩コショウ 少々
  • バジル   お好みで
  • オリーブオイル 少々

 

トマトを一口大にカットし、塩コショウとバジル、オリーブオイルをかければ完成です。

 

夏野菜のきゅうりや、カルシウム豊富なチーズを合わせても美味しいですよ。

 

これらおすすめ食材を使ったおかずと、糖質を補給するご飯の献立にすることで、効果的に疲労回復を狙えるでしょう。

 

コンビニやスーパーで惣菜を選ぶときも、今回紹介した食材を使った商品を選ぶとよいですよ。

 

疲労回復には休養も大切

 

 

今回は、疲労回復におすすめの食べ物について紹介しました。

 

疲労の原因別、おすすめの食べ物は以下の通りです。

 

  • 肉体疲労:豚肉、ねぎ
  • 精神疲労:かぼちゃ、牛乳
  • 夏バテ:トマト、梅干し

 

これらの食べ物を中心に、摂取する栄養素が偏らないような食事を心がけましょう。

 

また、疲労回復には休養も大切です。
休養とは文字通り「休む」と「やしなう」の2つの側面を持ちます。

 

  • 「休む」睡眠などにより心身を休めること
  • 「養う」趣味などを通してリフレッシュすること

 

食事とともに「休む・養う」ことも取り入れ、健やかな心身を目指しましょう。

 

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