亜鉛は必要不可欠な栄養素!特に女性は要注意、1日の目安量やサプリによる効果も解説
ドラッグストアなどで「亜鉛」のサプリメントを目にしたことはありませんか?
なんとなく体にいいイメージはありますが、具体的にどんな効果があるのか、よく知らない方も多いでしょう。
現代の日本人は、亜鉛がやや不足気味です。しかし実は、亜鉛の持つ効果は幅広く、体の中でさまざまな働きをする重要な栄養素です。
また、妊娠中や授乳中は通常よりも多くの亜鉛が必要となるため、特に女性は意識して摂りたいところです。
今回は亜鉛の持つ働きや、効率のいい摂り方、多く含まれる食品を解説します。ぜひ参考にして、健康的な食生活を送りましょう。
亜鉛とは?働きや摂取目安
亜鉛は人体におよそ2g含まれている栄養素です。
少なく感じるかもしれませんが、鉄分に次いで2番目に多いミネラルで、多くの働きを担っています。
ここでは亜鉛の働きや、1日に摂取すべき量について解説します。
亜鉛の働き
亜鉛は筋肉や骨だけでなく、皮膚や臓器、生殖器など人体のさまざまな場所に存在しています。
そして亜鉛は、数百種類の酵素に含まれている成分です。「酵素」とはたんぱく質が主成分で、体の中で起きる化学反応をサポートしています。
つまり、亜鉛は体内の化学反応を助け、次のような働きをします。このようにして、亜鉛は私たちの健康を保ってくれているのです。
【亜鉛の働き】
- 味覚を正常に保つ
- 胎児や乳児の成長を助ける
- 新陳代謝を上げる
- 薄毛・抜け毛を予防する
- 免疫力を高める
- 生殖機能を維持する
- うつ症状を緩和する
- 生活習慣病を予防する
- 抗酸化作用を助ける
このように、亜鉛にはたくさんの機能を持つとても重要な栄養素です。
1日にどれくらい摂ったらいいの?
体の中でさまざまな働きを持つ亜鉛ですが、1日にどれくらい摂ればいいのでしょうか?
「日本人の食事摂取基準」によると、亜鉛の1日の推奨量および耐容上限量は以下のとおりです。
【男性の場合(1日あたり)】
年齢区分 | 推奨量 | 耐容上限量 |
18~29歳 | 11g | 40g |
30~49歳 | 11g | 45g |
50~64歳 | 11g | 45g |
【女性の場合(1日あたり)】
年齢区分 | 推奨量 | 耐容上限量 |
18~29歳 | 8g | 35g |
30~49歳 | 8g | 35g |
50~64歳 | 8g | 35g |
ちなみに「推奨量」はほとんどの人が必要量を満たす基準とされています。一方、「耐容上限量」は過剰摂取により健康被害が起きるリスクを防ぐ量です。
実際の日本人の摂取量は、男性で平均9.2g、女性で平均7.7gと言われています。
また、妊娠中や授乳中はより多くの亜鉛が必要となります。以下の量を目安に、通常よりも積極的に摂りましょう。
- 妊娠中の推奨量:10mg/日
- 授乳中の推奨量:12mg/日
ただし亜鉛のサプリメントを摂取している方は、そうでない方に比べて過剰摂取になるリスクが高くなります。一度、サプリの含有量と自身の推奨量を照らし合わせてみましょう。
女性にとって嬉しい亜鉛の3大効果
亜鉛はとくに女性の体にとって嬉しい効果があります。
ここでは亜鉛の効果の中でも、特に女性の体における効果について解説します。
効果1.肌や髪をきれいに保つ
亜鉛は新陳代謝を活発にするため、肌のターンオーバーを促してシミやそばかすを防ぎます。
さらに、コラーゲンの生成を促し、ハリやうるおいのある肌に整えてくれるのでしょう。
髪は「ケラチン」というたんぱく質でできています。亜鉛はたんぱく質の生合成に関わる栄養素であるため、髪をきれいに保つのには不可欠なのです。
効果2.女性ホルモンの働きをサポートする
亜鉛は女性ホルモンの分泌を促す効果があり、子宮環境を整えてくれます。
それにより、生理周期を整えたり、PMS(生理前症候群)を軽くしたりする効果が期待できるのです。
特に、重い生理痛に悩んでいる方や、更年期障害を不安に感じている方は亜鉛を摂るといいでしょう。
効果3.妊娠中に胎児の発育を助ける
妊娠初期、お腹の中の赤ちゃんは細胞分裂を繰り返しながら成長します。その際に大量の亜鉛を消費するので、赤ちゃんの成長には亜鉛が不可欠です。
また、妊娠後期に亜鉛が不足すると、低身長・低体重・皮膚が弱くなるなど、赤ちゃんに影響する場合があります。
妊娠中は全期間を通してとくに積極的に摂りましょう。
亜鉛の過不足による影響
亜鉛は足りなくても摂りすぎても体にとって良くありません。
ここでは亜鉛が不足したとき、および摂りすぎたときの影響について解説します。
亜鉛が不足するとどうなる?
亜鉛が不足すると、たんぱく質やDNAの合成ができなくなります。
すると、子どもにおいては成長障害が起こったり、全ての人において肌荒れや免疫力の低下、貧血などが起こったりするおそれがあります。
また、亜鉛は口の中にも存在し、味を感じる細胞を作り出す働きもあります。そのため、亜鉛が不足すると味を感じにくくなり、味覚障害が生じる可能性があるのです。
そのほかにも以下の症状が出るおそれがあります。
【亜鉛不足による症状】
- 食欲不振
- 生殖機能の低下
- 下痢
- 脱毛
- 低アルブミン血症 など
亜鉛は幅広い食品に含まれています。そのため通常の食事を摂っていれば、大きく不足することはほとんどありません。
ただし、菜食主義者やアルコールを過剰に飲む方、無理なダイエットで食事量を減らしている方では不足することがあるでしょう。
亜鉛を摂りすぎるとどうなる?
例えば亜鉛の過剰摂取による症状として、以下のようなものが挙げられます。
【亜鉛の過剰摂取による症状】
- 吐き気、嘔吐
- 食欲不振
- 胃けいれん
- 下痢
- 頭痛
また亜鉛は「銅」の吸収を妨げます。そのため、長期にわたって亜鉛の過剰摂取が続いた場合、「銅欠乏症」となる可能性があるのです。
銅欠乏症では、貧血や骨異常、毛髪異常などが発生します。
しかし、通常の食生活を送っていれば、亜鉛が過剰になるリスクは少ないでしょう。
過剰摂取リスクの原因となるのは、サプリメントです。一度ご自身の食生活やサプリメントの含有量をチェックしてみましょう。
亜鉛を多く含む食べ物一覧
亜鉛は、牡蠣をはじめとした魚貝類や赤身の肉類、海藻、野菜、豆類、種実類に多く含まれています。
可食部100gあたりに含まれる亜鉛の量は、以下のとおりです。
食品 | 含有量(100gあたり) |
牡蠣 | 14.0g |
豚レバー | 6.9g |
牛肉(肩/赤身) | 5.5g |
かたくちいわし | 1.0g |
しらす干し | 3.0g |
納豆 | 1.9g |
油揚げ | 2.5g |
きな粉 | 4.1g |
いりごま | 5.9g |
アーモンド | 3.7g |
ただし、紹介した食材ばかりを食べるのではなく、バランスの良い食事を摂ることを意識してくださいね。
亜鉛を効率よく摂取する方法
亜鉛を効率よく摂取するためには、食べ合わせを意識するのがおすすめです。
吸収率を上げる食べ物を一緒に食べ、吸収率を下げる食べ物を避けましょう。
亜鉛の吸収率を上げる食べ物
亜鉛の吸収率は低く、約30%程度だと言われています。そのため、少しでも吸収を良くするために、吸収率を上げる栄養素と一緒に摂取するといいでしょう。
亜鉛の吸収率を上げる栄養素は、ビタミンCやクエン酸です。
亜鉛を含む食品とあわせて摂りたい、ビタミンCやクエン酸を含む食べ物を紹介します。
ビタミンCの多い食べ物
手軽に食べられる代表的なビタミンCの多い食べ物は、以下のとおりです。
- ブロッコリー
- ピーマン
- じゃがいも
- さつまいも
- いちご
- キウイ
クエン酸の多い食べ物
以下のような食べ物にクエン酸が多く含まれています。
- グレープフルーツ
- みかん
- レモン
- いちご
- 酢
- 梅干し
例えば、亜鉛の多い牛肉のステーキには、レモンを絞ったり、付け合わせにブロッコリーを添えたりするといいでしょう。
デザートにキウイやいちごなどの果物を食べるようにするのも、手軽でおすすめですよ。
亜鉛の吸収を阻害する食べ物
亜鉛を効率的に摂取したい場合は、吸収を阻害する食べ物にも注意しましょう。
吸収を妨げる栄養素は「フィチン酸」と「カルシウム」が代表的です。またその他にも注意すべき食べ物や飲み物があります。
フィチン酸を含む食べ物
野菜やきのこに多く含まれる食物繊維や、穀類・豆類に多い「フィチン酸」は亜鉛の吸収を妨げます。
たとえば、以下の食べ物にはフィチン酸が多いため、過剰摂取に注意が必要です。
- ごま
- 大豆
- ピーナッツ
カルシウムを含む食べ物
実はカルシウムも亜鉛の吸収を阻害します。
以下の食べ物・飲み物を亜鉛を含む食べ物と一緒に摂るのは控えましょう。
- 牛乳
- チーズ
- 骨ごと食べられる魚
食品添加物やアルコール
さらに加工食品に含まれる食品添加物も、亜鉛の吸収を妨げることがわかっています。
また、お酒の飲みすぎにも注意しましょう。アルコールは亜鉛の吸収を阻害するわけではありませんが、尿からの排泄を促してしまいます。
亜鉛を摂りたい時には、食事中の飲み物は水かお茶にし、加工食品はなるべく控えるようにするなど、工夫が必要です。
サプリを活用する際の注意点
毎日忙しくまともな食事が摂れない方にとって、不足しがちな栄養素を補えるサプリメントは便利ですよね。
しかし、使い方を間違えると、逆に健康を害するおそれもあるので注意しましょう。特に気をつけるべきなのは数種類のサプリメントを使用している時です。
たとえば2種類のサプリメントを使っていて、どちらにも亜鉛が含まれていたとします。この場合、どちらもサプリメントの目安量を守っていても、亜鉛を摂りすぎてしまう可能性があるのです。
また、亜鉛は銅の吸収を阻害します。そのため、銅も入ったサプリメントを選ぶとバランスがよくなるでしょう。
サプリメントは食事の置き換えとしてではなく、食事の補助として利用してくださいね。
少しずつでも構わないので、バランスの良い食事を心がけましょう。
亜鉛は健康のために必要不可欠!
今回は亜鉛の働きや、亜鉛の多い食べ物を紹介しました。亜鉛は体内でさまざまな役割を果たしており、健康のためには必要不可欠です。
日本人はやや不足傾向にあり、特に妊娠中や授乳中はより多くの亜鉛を摂取する必要があります。
不足しないためにも、サプリメントに頼るのは1つの方法として有効です。ただし、過剰摂取にならないよう気をつけましょう。
ご自身の食生活を見直し、亜鉛を正しく取り入れて、健康的な体を作りましょう。
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