ごまの栄養は色や形状によって違う?効能効果をわかりやすく解説
「ごまは体にいいって本当?」
「白や黒など、ごまの種類によって違いはあるの?」
健康食品にも使われる「ごま」は、なんとなく体にいいイメージを持つ方も多いでしょう。
ごまの健康効果が科学的に証明され始めたのは、ここ30年くらいのことです。まだ未解明な部分も多いごまですが、今回は現時点でわかっている健康効果についてわかりやすく解説します。
ごまを使ったおすすめレシピも紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
ごまの栄養と効能
ごまは「食べる丸薬」といわれるほど、栄養素が詰まっています。
ここでは3つの栄養素「脂質・たんぱく質・ゴマリグナン」について詳しく見ていきましょう。
全体の約50%は脂質
ごま油の原料としても使われるごまは、脂質が豊富です。100gあたり53.8gと、全体の約50%を占めています。
脂質の摂りすぎは肥満の原因になります。しかし、適量を摂る分には体を動かすエネルギー源として重要な栄養素です。なお、脂質の適量は1日の総エネルギーの20〜30%とされています。
そんな脂質は大きく2種類、「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」にわけられます。
- 飽和脂肪酸:肉や乳製品など動物性の脂肪に多く含まれる
- 不飽和脂肪酸:魚や植物性の脂肪に多く含まれる
このうち、ごまに含まれる脂質の多くは不飽和脂肪酸です。
不飽和脂肪酸とは
不飽和脂肪酸にはLDL(悪玉)コレステロールを減らし、HDL(善玉)コレステロールを増やす働きがあります。
それぞれのコレステロールの働きは、以下のとおりです。
【LDL(悪玉)コレステロール】
- 体内で作られたコレステロールを全身に運ぶ。
- 増えすぎると動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳梗塞などの発症リスクを高める。
【HDL(善玉)コレステロール】
- 余分なコレステロールを回収し、動脈硬化の進行を抑える。
不飽和脂肪酸は健康に嬉しい栄養素ですが、酸化されやすいという欠点を持っています。
酸化された不飽和脂肪酸が体内に蓄積すると、血管が細くなったり血栓ができやすくなったりと、これもまた動脈硬化の進行につながってしまうのです。
ところがごまに含まれる不飽和脂肪酸は、比較的酸化しにくくなっています。なぜなら、ごまには酸化を防ぐ成分、いわゆる抗酸化物質が多く含まれているからです。
たんぱく質も豊富
意外にも、ごまはたんぱく質が豊富な食品です。実際に100gあたり19.8gのたんぱく質が含まれています。
ごまのたんぱく質量は全体の約20%と、肉や魚と同じくらいの割合を占めています。ただし1回にたくさん食べるものではないため、たんぱく質の主な供給源とするには非効率的です。
しかし、ごまのたんぱく質は、必須アミノ酸をバランスよく含む良質なたんぱく質です。
必須アミノ酸とは、私たちの体内で作ることのできないアミノ酸のことを示します。実は、たんぱく質を体内で利用するには20種類のアミノ酸が必要で、体内で合成できるものとできないものがあります。
- 9種類は必須アミノ酸:体内で合成できない
- 11種類は非必須アミノ酸:体内で合成できる
したがって9種類の必須アミノ酸を食事からまんべんなく摂ると、たんぱく質が利用されやすくなるのです。
たとえば、ごまと大豆のたんぱく質を同量摂取すると、アミノ酸のバランスが整います。このように、他の食材と組み合わせることで、たんぱく質を効率よく利用できるケースもあるのです。
ごまはドレッシングにしたり、ふりかけたりと手軽に食べられます。日々の食事にプラスしてみてはいかがでしょうか?
話題のゴマリグナン
ごま独自の成分「ゴマリグナン」は、セサミンなどを含めたポリフェノールの総称です。
ゴマリグナンには「抗酸化作用」があるのが特徴です。「ごまには抗酸化物質が多く含まれている」とは、ゴマリグナンのことだったのです。
このゴマリグナンには、次のような働きが期待されています。
- コレステロール値を下げる
- 血圧を下げる
- アルコールの代謝を改善する
ただし、ゴマリグナンの機能性についてはまだ未解明なことが多いです。今後の研究報告にも、注目していきたいですね。
「白・黒・金」色による違いは?
白ごま、黒ごま、金ごまでは、栄養価に大きな違いはありません。
一方でごまの種類によって、料理や調理法の向き不向きがあります。それぞれの特徴を詳しく紹介します。
白ごまの特徴
白ごまは、もっともポピュラーな種類です。とくに西日本では、白ごまを好むことが多いようです。
風味がマイルドで癖がないのが、白ごまの特徴です。黒ごまと比べると脂質がやや多めで、ごま油の原料としても利用されます。
黒ごまの特徴
黒ごまは香りが強く、料理のアクセントとなるでしょう。白ごまに比べて種皮の割合が多く硬いので、すって食べるのが一般的です。
また黒ごまは種皮の割合が多い分、白ごまよりもカルシウムが多く含まれます。
さらに皮の黒い色には、ブルーベリーと同じ色素であるアントシアニンも含まれます。アントシアニンは、ポリフェノールの1種で抗酸化作用のある成分です。
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金ごまの特徴
金ごまは「黄ごま」や「茶ごま」と呼ばれることもあります。
白ごまや黒ごまと比べると、コクのある味わいで香りも高いです。そのため金ごまの価格は高めで、懐石料理などで使われることが多いようです。
ごまを毎日食べるとどうなる?
ごまは毎日いろいろな食材と組み合わせて食べると、さまざまな栄養素を補えます。
先ほど紹介した栄養素の他にも、カルシウムや鉄、食物繊維、ビタミンB群などが含まれています。
たとえば、ごま大さじ1にはコップ半分(100ml)の牛乳と同量のカルシウムが含まれます。
また鉄の量は、ごま大さじ1とほうれん草2株(50g)が同程度です。
このように、ごまには栄養がギュッと詰まっています。日々の食事にごまをプラスすれば、栄養価が高まるでしょう。
いりごまには栄養がないって本当?
いりごまはごまを炒ったものですから、水分量が減り栄養がさらに濃縮されています。
しかし、いりごまは栄養がないと噂されることもあるようです。その理由は、ごまの皮が硬く、よく噛んで食べないと消化吸収がされにくいからだと考えられます。
ですから、いりごまの栄養素をしっかり吸収するには、よく噛んだり、すったり、刻んだりするのがおすすめです。ごまを砕くことで、栄養素が消化吸収されやすくなりますよ。
ただしごまを砕くと、風味が落ちたり酸化が進んだりするペースが上がります。
したがって、自分でごまをするときには1回分の量に留めましょう。市販のすりごまも、開封後はできるだけ早く使い切るといいですね。
ごまを使ったおすすめレシピ
最後に、白ごまと黒ごまを使ったおすすめのレシピを紹介します。
どちらも混ぜるだけの簡単レシピですので、ぜひお試しください。
【白ごま】手作りごまダレ
まずは、白ごまを使った「ごまダレ」のレシピを紹介します。
生野菜の漬けダレにも、サラダのドレッシングとしても使える万能ごまダレです。
【材料】 作りやすい量
- すりごま 大さじ1
- 酢 大さじ1
- 醤油 大さじ1
- 砂糖 大さじ1/2
- ごま油 大さじ1/2
【作り方】
- ボウルにすべての材料を入れ、よく混ぜたら完成
【黒ごま】バナナジュース
次は、ダイエット中の間食にもおすすめの黒ごまバナナジュースを紹介します。こちらも、すべての材料を混ぜるだけの簡単レシピです。
ポイントは「完熟バナナを使うこと」です。甘みが足りないときには、はちみつを加えるのもいいでしょう。
【材料】 1人前
- バナナ 1本
- 豆乳 100ml
- 黒すりごま 大さじ1
【作り方】
- すべての材料をミキサーに入れて、混ぜたら完成
完熟のバナナであれば、ボウルに入れてフォークや泡立て器で混ぜることもできますよ。
健康維持にごまを活用しよう!
今回は、ごまの栄養についてまとめました。
ごまは「食べる丸薬」といわれるほど、優れた栄養素が詰まっています。
ごまの栄養素をしっかり吸収するには、よく噛んだり、すったり、刻んだりするのがおすすめです。
ごまは手軽に利用できる食材です。紹介したレシピも参考に、積極的に取り入れてみてくださいね。
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