【管理栄養士が解説】栄養バランス基礎知識の総まとめ!食事の整え方がしっかりわかる

HEALTH

栄養バランスは大事だとわかっているけれど、どう調整すべきかわからない…

食事のバランスを取れているか確認したい!

健康的な食生活を支える「栄養バランスの整った食事」。しかし、具体的な考え方を理解しないまま日々の食事を選んでいる方も多いのではないでしょうか。

本記事では、管理栄養士が栄養バランスの基本をわかりやすく解説。栄養バランスを整えるための方法や、実際に取り入れる際のコツまで幅広く紹介します。

NOSH MAGAZINEでは、他にも食生活を豊かにする健康情報をお届けしています。ぜひチェックしてみてください。

※本記事は、一般的な健康情報の提供を目的としています。体調に不安のある方や、持病をお持ちの方、ご高齢の方、妊娠中の方は、必ずかかりつけ医にご相談ください。また、本記事で紹介している食材やメニューのみに偏らず、主食・主菜・副菜をそろえたバランスのよい食事を心がけましょう。

栄養バランスとは?管理栄養士がわかりやすく解説

栄養バランスの整った食事(例)

「栄養バランスの整った食事」とは、体に必要な栄養素を偏りなく摂取できる食事のことです。体の成長や修復、エネルギーの確保など、さまざまな生理機能を支える栄養素をまんべんなく摂れる食事の状態を指します。

  1. 栄養バランスとPFCとの違い
  2. 栄養バランス簡易チェック表

栄養バランスとPFCとの違い

いずれもバランスを示す重要な指標ですが、対象とする範囲が異なります。

栄養バランスは食事全体を対象とするのに対し、PFCバランスはエネルギーを生み出す栄養素の配分を指します。エネルギーを生み出す栄養素にはたんぱく質・脂質・炭水化物の3つがあり、三大栄養素と呼ばれています。

▼理想的なPFCバランス▼

PFCバランス 1~49歳 50~64歳 65歳以上
たんぱく質(Protein) 13~20% 14~20% 15~20%
脂質(Fat) 20~30%
炭水化物(Carbohydrate) 50~65%
厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2025年版)」を加工して作成

栄養バランス簡易チェック表

栄養バランスを確認するための簡易チェック項目を用意しました。当てはまる項目が多いほど、栄養バランスが偏っている可能性があります。

今日を含む直近1週間の食事内容を振り返りながらチェックしてみてください。

  • 朝ごはんを抜くことが多かった
  • 同じようなメニューばかり食べていた
  • 野菜をほとんど食べない日があった
  • たんぱく質(肉・魚・卵・大豆)をほとんど食べない日があった
  • ごはん・パン・麺だけで食事を済ませた日があった
  • お菓子や菓子パンだけで食事を済ませた日があった
  • コンビニや外食が1週間の半分以上を占めている
  • 夕食の量が極端に多い、または1食に偏った日があった
  • なんとなく「これでいいか」で選ぶことが多かった
  • 主食・主菜・副菜がそろった食事をほとんど摂れていない

栄養バランスがもたらす良い影響とは?

栄養バランスの整った食事をする女性

農林水産省によると栄養バランスのとれた食事は死亡リスクの低下と関係していること*¹が多数の研究で報告されています。

実際の研究の1つに、成人男女約8万人を対象とした約15年間の追跡研究があります。

上記研究では、「食事バランスガイド(1日に何を・どれだけ食べればよいかを示したもの)」を遵守したグループは、遵守していないグループに比べて以下のメリットが確認されました。

  • 総死亡リスク:15%低下
  • →心疾患や循環器疾患による死亡のリスク:16%低下
  • →脳血管疾患(脳卒中など)による死亡リスク:22%低下

栄養バランスを構成する「五大栄養素」

多様な栄養素を含む食材

食品に含まれる栄養素の中でも、生命活動に欠かせないものを「五大栄養素」といいます。健康を維持するためには五大栄養素をバランスよく摂ることが重要です。

ここでは、五大栄養素それぞれの特徴や働きについて解説します。

たんぱく質

たんぱく質とは、筋肉・臓器・皮膚・髪など体のあらゆる部分をつくる材料になる栄養素です。肉・魚・卵・大豆製品に多く含まれています。

体内では常に消費され、一部は元に戻らない形で失われてしまうため、食事から補給する必要があります。

脂質

脂質とは、細胞膜やホルモンの材料であると同時に、効率的にエネルギーを生み出す役割も担う栄養素です。油脂類・肉の脂・ナッツに多く含まれています。

量や種類のバランスを誤ると摂りすぎてしまいやすいため、適量を意識することがポイントです。

炭水化物

炭水化物は体や脳を動かすための主要なエネルギー源です。特に脳は、炭水化物からつくられるブドウ糖をほぼ唯一のエネルギーとして利用しています。ごはん・パン・麺類などの主食に多く含まれる成分です。

炭水化物の一部である食物繊維は、おなかの調子を整えるのに役立つ働きを持っています。食物繊維はごぼうやれんこんなどの根菜類やきのこ類、海藻類に多く含まれています。

ビタミン

ビタミンは、生命を維持するために必要な体の働きを助ける栄養素です。体内でほとんど作られないため、野菜・果物・きのこなどから補う必要があります。

ビタミンは種類によって役割が異なるため、特定の食材に偏らず、さまざまな食品を組み合わせると必要量を満たしやすくなります。

ミネラル

ミネラルは、骨や歯の形成、筋肉や神経の働き、体内の水分バランス調整など、さまざまな体の働きに関わる栄養素です。種類が多く、食品によって含まれる量も異なります。

特に鉄やカルシウムは不足しやすいため、意識して摂取することが大切です。

栄養バランスの整った食事を目指す方法とは?

栄養バランスの整った食事(例)

栄養バランスの整った食事を目指すための方法は、主に3つあります。取り入れやすいものからぜひ試してみてください。

  1. 主食・主菜・副菜をそろえる
  2. 食品群を組み合わせる
  3. 食事バランスガイドを活用する

1.主食・主菜・副菜をそろえる

主食・主菜・副菜それぞれに含まれる食材や食事メニューのイラスト

主食・主菜・副菜をそろえた食事は「何を組み合わせればよいか」がわかりやすく、細かい計算も不要なため、毎日の食生活に取り入れやすい方法です。

栄養バランスのとれた食生活と関連していることは複数の研究で報告され*¹、国が進める取り組みでも主食・主菜・副菜を基本にした食事の組み立てが推奨されています*²。

「3つそろえる」と聞くと毎回3品の料理を作る必要があるように感じるかもしれませんが、実際はそれほど身構える必要はありません。例えば、市販のおにぎりを主食に、コンビニのサラダチキンを主菜、カップサラダを副菜として組み合わせるだけでも「主食・主菜・副菜がそろった食事」になります。

主食

主食は、体や脳を動かすエネルギー源となる「炭水化物」を主材料とした料理です。ごはん・パン・麺類などが代表的で、日々の活動に必要なエネルギーを生み出す役割を持ちます。

主菜

主菜は、体をつくる材料となるたんぱく質を主材料とした料理です。肉・魚・卵・大豆製品などを使ったメニューが該当し、豚肉の生姜焼きや焼き魚、納豆といった料理が代表例です。

副菜

副菜は、ビタミン・ミネラル・食物繊維を補える食材を使った料理です。野菜類・海藻類・きのこ類などを使ったメニューが該当し、ほうれん草のおひたしやわかめの味噌汁といった料理が代表例です。

+乳製品・果物の摂取がおすすめ

主食・主菜・副菜をそろえた食事を続けていてもカルシウムは不足しやすく、日本人の約40%以上が適切な摂取量に達していないと報告されています*³。また、果物はビタミンC・カリウム・食物繊維が豊富で、生活習慣病予防に役立つ*⁴とされています。

主食・主菜・副菜と一緒に乳製品や果物を組み合わせると、より栄養バランスが整いやすくなるでしょう。

2.食品群を組み合わせる

食品群とは、栄養素の働きや種類ごとに食品を分類したもので、日本では長く健康づくりの目安として活用されてきました。

「どの栄養素をどの食品からとればよいか」がわかりやすく、食卓に複数の食品群がそろうよう意識すると、自然に多様な栄養素をとりやすくなります。

三色食品群

三色食品群それぞれに含まれる食材や食事メニューのイラスト

三色食品群は、体内での働きの違いから食品を3つのグループに分けたものです。色分けがされているため、1食分の献立を考えるときに「赤・黄・緑がそろっているか」で栄養バランスをチェックできます。

三色食品群の区分 働き 食品例 五大栄養素に当てはめると
体をつくるもとになる 肉、魚、卵、牛乳、乳製品、豆など たんぱく質
エネルギーのもとになる 米、パン、麺類、いも類、油、砂糖など 炭水化物、脂質
体の調子を整えるもとになる 野菜、果物、きのこ類など ビタミン、ミネラル
農林水産省|食事バランスガイド早分かり 栄養素と食事バランスガイドとの関係」を加工して作成

六つの基礎食品群

六つの基礎食品群それぞれに含まれる食材や食事メニューのイラスト

六つの基礎食品群は、食品を栄養成分の特徴別に分類したものです。1日分の食事を考えるときに「1~6群がそろっているか」で栄養バランスをチェックできます。三色食品群よりも細かく分かれているため、栄養バランスをより意識したい方におすすめです。

基礎食品群の区分 食品例 五大栄養素に当てはめると
1群 魚、肉、卵、大豆、大豆製品など たんぱく質
2群 牛乳・乳製品、海藻、小魚など ミネラル
3群 緑黄色野菜 ビタミン、ミネラル
4群 淡色野菜、果物 ビタミン、ミネラル
5群 穀物、いも類、砂糖類 炭水化物
6群 油脂、脂肪の多い食品 脂質
農林水産省|食事バランスガイド早分かり 栄養素と食事バランスガイドとの関係」を加工して作成

3.食事バランスガイドを活用する

食事バランスガイドは、1日に「どの食品をどれくらい食べれば栄養バランスが整いやすいか」がイラストでわかる指標です。他の方法より栄養バランスの全体像が見えやすい反面、手間がかかるのが特徴です。

食品バランスガイドの「コマ」とは?

食事バランスガイドでは、主食・副菜・主菜・牛乳、乳製品・果物をコマの形で表し、自分が1日に食べた料理を「皿の数(SV)」として数えて塗りつぶします。

塗った状態のコマが傾かずに回りそうであれば、食事のバランスが整っている可能性が高いと判断できます。

実際に食事バランスガイドのコマを動かしてみましょう。

①食事量の目安を確認する

まず、1日の「皿の数(SV)」を確認します。必要なSV数は年齢、性別、活動量によって変わります。

②「皿の数(SV)」換算する

1日に食べた料理を「皿の数(SV)」に置き換えます。

③コマを塗っていく

「皿の数(SV)」に合わせてコマの各部分を塗りつぶします。

④コマのバランスを確認する

コマが傾いた場合、足りていない食品や多すぎる食品を確認しましょう。今後の食事選びに取り入れることで、栄養バランスを整えるヒントになります。

栄養バランスを整えるためのコツ

栄養バランスを整った食事を作る

栄養バランスを整えるうえで意識したいポイントをご紹介します。まずは実践しやすいものから試してみてください。

  1. 1食ではなく1日単位で考える
  2. 3食きちんと食べる
  3. 場合によっては間食で補う

1食ではなく1日単位で考える

1食ごとに完璧を目指すよりも、1日の中で整えられればOKという考え方の方が続けやすく、ストレスを減らしながら理想的な食習慣へと近づけます。

例えば、朝食で野菜をあまり摂れなかった場合、昼や夜にサラダや副菜を追加するなど1日の中で不足分を補う意識を持つとよいでしょう。

3食きちんと食べる

毎食欠かさず食べる習慣を身につけると、1日に必要なエネルギーや栄養素を安定して補給しやすくなります。

例えば、朝食を抜いてしまうと、その分を昼食や間食、夕食で補おうとして量が増え、結果的に食べすぎにつながる場合があります。食事を抜かずに3食適量ずつ摂る意識が大切です。

場合によっては間食で補う

食事だけで必要な栄養を摂りきれない時に役立つのが間食(おやつ)です。間食というと「食べすぎてしまうもの」というイメージがありますが、上手に取り入れれば1日の栄養バランスを整えやすくします。

栄養バランスを意識した食事の具体例

栄養バランスを意識した1日分の食事を紹介します。実際のイメージをつかみたい方は、ぜひ参考にしてください。

朝食

区分 メニュー名
主食 リゾット(ごはん小盛り1杯)
主菜 半熟卵1個
副菜 ・小松菜ソテー
・えのきコーンサラダ
・インゲンの玉ねぎドレッシング和え
その他 牛乳1杯(写真未掲載)

昼食

ナポリタン(外食)

区分 メニュー名
主食 ナポリタン
主菜 ・ナポリタンの中のハムやウィンナーを主菜の一部としてカウント
・目玉焼き(写真未掲載)
副菜 サラダ
その他 味噌汁

間食

フルーツサンド

  • フルーツサンド
  • (食パン1枚+果物)

夕食

区分 メニュー名
主食 ごはん中盛り1杯(写真未掲載)
主菜 チリハンバーグステーキ
副菜 ・彩り野菜
・なすのバジルソース
・そら豆のポテトサラダ
その他 カットパイン(写真未掲載)

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宅配弁当サービス「nosh(ナッシュ)」サービス画像

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まとめ

「栄養バランスの整った食事」とは、必要な栄養素を過不足なく摂れる状態の食事を指します。

ただ、忙しい日が続くと「意識はしているけれど実践が難しい」「料理に時間をかけられない」といった悩みも生まれがちです。

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参考文献
厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2025年版)
農林水産省|平成28年度 食育白書(平成29年5月30日公表)
厚生労働省|健康日本21アクション支援システム|食物繊維の必要性と健康
農林水産省|食事バランスガイド早分かり 栄養素と食事バランスガイドとの関係
出典
農林水産省|「食育」ってどんないいことがあるの?
農林水産省|食生活指針について
国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所|栄養バランスの良い⾷事をとるために
*⁴厚生労働省|健康日本21アクション支援システム|果物1日200gのすすめ

石川伊澄 管理栄養士

医療系企業にて管理栄養士として勤務し、年間100件以上の個別栄養相談を担当。加齢に伴う健康課題や女性のライフステージに応じた栄養管理、若年層の食生活改善まで、幅広い年代への指導経験を持つ。現在はフリーランスとして、管理栄養士の知見を活かし、健康・食分野の記事執筆や監修を中心に活動中。

 

食品に含まれる栄養素の中でも、生命活動に欠かせないものを「五大栄養素」といいます。健康を維持するためには五大栄養素をバランスよく摂ることが重要です。

ここでは、五大栄養素それぞれの特徴や働きについて解説します。

たんぱく質

たんぱく質とは、筋肉・臓器・皮膚・髪など体のあらゆる部分をつくる材料になる栄養素です。肉・魚・卵・大豆製品に多く含まれています。

体内では常に消費され、一部は元に戻らない形で失われてしまうため、食事から補給する必要があります。

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